資格ライフ.COM 

プライベートバンカー・ウエルスマネジメント・ファミリーオフィス・エステートプランニング・資産税の専門家を目指すブログ-TaxAccounting&Financial Planning

相続対策のデメリット

昨年は相続税増税ということでテレビや新聞等のマスコミでは大げさに煽っているような1年でした。

消費税、相続税増税が続き、情報番組でコメンテーターがコメントするというのをみる機会が多かったのではないでしょうか?

駆け込み需要という言葉があります。

こういった制度の変わり目に急いで何かをしなければ…という消費者心理がこういった行動につながるのでしょうか。

さて、駆け込みで相続の対策をやると、デメリットがあります。

それはお医者さんが処方する薬の副作用と同じようなものです。

ある意味ではメリットや効果が高い側面もあります。

一方でデメリットやリスクもあるのがこういった対策です。

例えばどんなデメリット…ということで紹介しましょう。

例えば養子縁組。

養子縁組をすると法定相続人の数が増えます。

相続税の計算は法定相続人の数が増えると節税になる仕組みになっています。

基礎控除、税率、非課税枠などその効果は数千万になることもあります。

一方でデメリットは何か…?

他の親族に黙って養子縁組をするといざ相続になったときに必ずばれます。

相続税は全員で共同で申告書を提出するのが原則ですから、申告書をみればある程度理解できる人であればわかると思います。遺産分割にも養子が参加するので黙っているわけにはいかないでしょう。

そのときになってはじめて相続税対策で…なんて言ってもなかなか理解は得られません。

相続対策は全員にとってメリットがある反面、特定の誰かにとって特にメリットがあったり有利に働くものもあるのです。

こういった対策は後出しは禁物です。やるのであれば実行する前に他の親族に相談して了承を得ておく必要があります。了承を得られないのであれば実施すべきではないでしょう。

また、アパートやマンションなどの賃貸物件の建築というのも代表的な相続税対策ではないでしょうか。

アパートやマンションを建築すると現金や預金で持っているのに比べて大きく相続税評価額が下がります。

一方で相続税の納税資金として蓄えていた虎の子のキャッシュが不動産に変わりますし、借金をして建てたとしてもその後の返済はアパート経営次第ということになります。

場所がよくて安定した家賃が期待できるような立地条件、信頼できる大手のハウスメーカーが長期家賃保証をしいてくれるようなケース以外は相続税対策になったとしても慎重にならざるを得ないと思います。

駆け込みの対策、やりすぎの対策、素人考えの聞きかじりの対策は家族の幸せや財産を失う原因になるかもしれません。

「やりすぎ」相続税対策が子を貧乏にする (経営者新書)/幻冬舎

¥799
Amazon.co.jp

【SPONSOR LINK】