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プライベートバンカー・ウエルスマネジメント・ファミリーオフィス・エステートプランニング・資産税の専門家を目指すブログ-TaxAccounting&Financial Planning

遺産相続の危機管理力

テレビドラマで「リスクの神様」というのをやっています。

ビジネスをやっていると知らずに知らずに様々なリスクにさらされることがあります。

相続でいうと、遺産分割で揉めるリスクというのが最大のリスクです。

生前対策ではこのリスクにどのように取り組むかが最も大切な課題です。

●家族で生前に納得するまで話し合う

●日ごろからコミュニケーションを十分にとっておく

●現金化するなど公平に分けやすい準備をする

●公正証書遺言を作る

といったことが対策として有効になります。

それでは不幸にも生前の対策がうまくできずに争いになりそうなときにどう対処すべきでしょうか?

弁護士に相談して代理人として間に入ってもらって交渉するのがべストでしょうか?

これは逆に火に油を注ぐ原因にもなりかねません。

もちろん、弁護士に相談するのは正しい選択です。

信頼のできる弁護士に相談してアドバイスをしてもらうといいでしょう。

でも、アドバイスや調整のレベルまでに留めて、代理人として間にはいってもらうのはどうかと思います。

いきなり弁護士から内容証明を受取った他の相続人はどう思うでしょうか?

「本人同士で話し合いもしていないのに弁護士をたてて、喧嘩を売っているのか!」

そう思われても仕方ないと思います。

弁護士には相談するけど、いきなり弁護士を挟んで話し合いなんて普通に無理でしょう。

相手も弁護士を立てるしかなくなります。

こうなると、専門家間の協議になりますが、一般的に弁護士さんの報酬は経済的利益に対して割合をかけて決まりますから、弁護士としても依頼人が相続で財産をたくさん受け取れたほうが報酬が高くなる傾向にあります。

そのため、うまく調整して円満、早期に解決を図るよりも、どれだけ分割で取得できるか…ということになりがちです。

最初の段階で中立な専門家をいれて話し合うのはいいですが、これでは争いが大きくなるだけです。

これは家族にとって一生に一度あるかないかの危機ですから、適切に対処しなければなりません。

そのため、危機管理は慎重かつ円満な解決をさぐるべきだと思います。

基本的には家族、親族ですから個別の事情などを誠意をもって伝えれば納得してもらえる可能性は高いと思います。

もちろんそれまでの付き合いや、日ごろの交流なども大切でしょう。

まずは隠さずにありのままの事実を伝えて話し合いのテーブルにつく、お互いの意見を尊重しながら落としどころをみつける、といった普通のことをまずやるのが大切です。

弁護士さんを代理人としてお願いするのはその後でもいいと思います。

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