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条文で理解!所得税法における「残額」と「金額」のちがいとは何か?

今年予定していた資格試験、検定試験も終わったので、今日は図書館で今後の勉強方針について検討していました。

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試験対策から実務の勉強へ、やはり税務に関する法律家として条文からやり直しだと改めて思いました。

知識を得るには資格試験の試験対策を通じて体系的にインプットするのがいいのですが、アカデミックスキルというかそもそもの学び方を学ぶというところが本当は一番苦労します。

知識のインプットではなく、知恵というか本来の意味での学び方ってどうすればいいんだっけ?

 

税理士の受験時代には講師の先生に条文が大事だとよく言われていました。

でも実務に入ると忙しさにかまけてなかなか条文にあたることなく、図解シリーズなどの簡単本で終わらせてしまうことが多くなります。

 

基本的な用語でいうと、例えば、所得税法では、一定の金額の控除をする場合に条文上で「残額」としているケースと「金額」としているケースがあります。

 

残額か金額かという話ですが、意識しないとスルッと流してしまう違いです。

いやいやどちらもそう変わらないと思うかも知れませんが、実は条文上ではしっかり使い分けがされています。

残額を使うケース 

「残額」は、控除した結果マイナスになることを想定していない場合に使われます。

例えば、こんなケースです。

給与所得の金額は、その年中の給与等の収入金額から給与所得控除額を控除した残額とする。

給与所得は給与収入から給与所得控除額を控除しますが、概算で認められる控除額なのでマイナスになることはありません。

金額を使うケース

一方の「金額」は、控除した結果マイナスになることも想定されるケースに使われます。

例えば、こんなケース。

不動産所得の金額は、その年中の不動産所得に係る総収入金額から必要経費を控除した金額とする。

不動産所得は、総収入金額から実額の必要経費を控除するわけですが、マイナスになって損益通算することもあります。

 

ちょっとしたトリビアですが、実は使い分けられていますよ、という話でした。

税法に強い税理士になるために・・・

実際の実務でこういった話がどれだけだいじなのかというと、別に処理があっていればどちらでもいい話なのかもしれません。

こだわるだけ無駄かなとも思います。

でもこういった細かいこだわりや小さな違いの積み重ねが、税法に強い税理士と弱い税理士の大きな違いになると思っています。

資格試験の勉強では合格であったり、知識を詰め込むことがゴールになりがちです。

でも実務にはゴールはないし、器用に効率よくやることが正確ともいえない世界です。

今は半歩ずつの成長でも10年、20年後に満足できる仕事ができるように地道にがんばってみようと思いました。

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