1.現金の範囲
簿記でいう現金の範囲では、一般的にいわれる現金(紙幣や硬貨)のほかに通貨代用証券も含まれます。
つまり、我々の財布に入っているいわゆる「現金」よりも範囲が多い概念になります。
通貨代用証券には次のようなものがあります。
・他人振出小切手
…他人や他社が振り出した小切手
・送金小切手
…送金用に銀行が発行する小切手
・郵便為替証書
…送金用に郵便局が発行する証書、小為替
・利払日の到来した公社債の利札
…国債や社債の利札のうち期日が到来し、いつでも換金可能なもの
・配当金領収書
…株主が会社から交付される配当金の証書
2.現金出納帳
現金出納帳は、日々の現金の出入りを記録する帳簿をいいます。
現金出納帳は現金に関する補助簿としての位置づけにあります。
前回学習した仕訳帳や総勘定元帳が主要な帳簿で主要簿と呼ばれるのに対して補助簿はある特定の勘定科目の内訳明細を示すという意味で補助簿と呼ばれています。
実務的には、現金出納帳の作成を行うことが日々の経理初期の基本業務となります。
【現金出納帳の記載方法】
・日付欄…取引が発生した月日を記入
・摘要欄
取引の内容や取引先名などを記載します。
・収入欄、支出欄
現金の入金額、出勤額を記入します。
・残高欄
残高を記入する。
・締め切り
通常は月ごとに締め切ります。
末日の残高を支出欄に記入し、摘要は次月(次期)繰越とします。
翌月の初日に繰越額を収入欄に記入し、摘要は前月(前期)繰越とします。