今回の税制改正では、連結納税やグループ税制に関するものが多く含まれています。
この連結納税とはどのような制度でしょうか?
似たような名称として連結会計というものがあります。
連結会計は、企業グループの財務諸表を連結して開示するものですが、連結納税とは全く違う概念です。
連結納税制度とは、企業グループの経済的な一体性に着目して、企業グループをあたかも一つの法人であるかのようにみなして法人税を課税する制度です。
連結納税の対象となるのは、親会社とその完全支配子会社(100%子会社、孫会社等の関係にある会社)であり、この関係にある会社であれば特定の会社を入れたり外したりできずに、そのグループの会社がすべて対象となります。
連結納税を採用するかどうかは企業グループの任意ですが、連結納税開始の6ヶ月目までに国税庁長官に承認申請をしなければなりません。
連結グループの法人税は連結親法人に対して課税されます。
連結親法人に対して課税される各事業年度の連結所得に対する法人税の課税標準は、その連結グループ内のすべての所得金額と欠損金額とを合算した金額となります。
この連結所得金額に対して課税される法人税を連結親法人が支払うと、他のグループ会社と親会社との間で税金の精算をすることになります。
親会社が立て替えた税金を各子会社が支払わなければ、親会社から子会社への寄付行為とされることになるのです。
この合算、連結して税金計算をすることと、精算して子会社に振り分けることこそ連結納税制度なのです。
連結納税制度は法人税のみが対象ですから、消費税はもちろんのこと、地方税には影響はありません。
ただし、地方税である住民税や事業税は個別の課税所得を通常の法人税と同じように計算しなおすのではなく、あくまでの連結納税の場合の課税所得を各社に振り分けることで計算されます。
したがって連結納税の場合と個別納税の場合とでは税額は異なることになります。
連結納税は、これから税制改正の手が入ることになるでしょう。
グループ税制も踏まえて今後、検討が必要でしょう。