税金の仕事をしていてもなかなか税金の歴史を学ぶことってないです。
学生時代、金融史という授業があり、結構楽しめたのを覚えています。
近現代史における金融の歴史という感じでした。
今回読んでみたのは法人税回顧60年という本です。
税務会計学会の重鎮であった故、武田昌輔先生の著書。
特に昭和40年の法人税の全面改定にかかわったということで有名な先生です。
さて、この本は企業会計との関係を検証するというサブタイトルがついています。
現在、大企業を中心に会計と税務のかい離と融和がなにかと話題になると思います。
そんな会計と税務ですがもともとはもっとかい離していて、「一般に公正妥当な会計処理の基準」に基づくという確定決算主義がどのような形で取り入れられてきたのかなどがよくわかります。
さらにコラム的に相続税の問題にも触れています。
この先生は相続税は根拠がないので廃止すべしという考え方のようです。
生きている間は所得税で課税しているのですから、本来は相続税は2重課税ですし、課税根拠がないということなのだと理解できます。
税金は本来、戦争のための戦費のねん出のためというのが歴史的な経緯があります。
消費税が増税され、法人税が減税されることで税のバランスが大きく変わっていきます。
税のあり方について、歴史を学びながら再考してみる機会も必要かなと思いました。
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