相続税の申告は相続専門の税理士へ…というキャッチフレーズがあります。
これは一般の税理士と差別化したいという意味で、とてもわかりやすいコピーだと思います。
確かに税理士のうちには相続税に不慣れな人も多いのは現実でしょう。
でも、相続税の申告がそれほど難しいというのは嘘です。
相続税はそれほど難しい税目ではありません。
条文数もそれほど多くありません。
本当は、法人税や所得税のほうが難しいのです。
税理士試験でも法人税や所得税は必須科目で、時間がほかの科目に比べて多くかかります。
勉強する内容も多いというのが本当のところです。
でも、逆にいうと税理士試験の必須科目でない相続税は、試験合格後に学ぶ必要がある税目です。
これは実務で必ず必要となる消費税と同じようなものです。
ただ、消費税は実務で必ず申告が必要となるのに対して、相続税は依頼がなければ申告することもないのです。
だから必要なければ深く勉強することもないし、基本業務として取り組むこともなかった税金だということです。
もちろん難しい部分もあります。
民法や会社法、不動産関係法規など他の法律にかかわるもの、金融商品などのFP的な知識が必要となることなどがあります。
基本的には難しくはない業務ですが、現状では慣れ、不慣れがはっきりわかれる業務といえます。
税金も多くかかるケースもあるますし、相続専門の税理士に依頼するのが現状ではベストです。
でも、相続税の基礎控除縮小に向けて、どの事務所も研究や準備はしていると思います。
相続専門…というコピーが通用するのはあと少しかもしれませんね。