当社のお客様は不動産を活用しているいわゆる大家さんという方がたくさんいらっしゃいます。大家さんでも、お金をどんどん増やしている方と、逆になかなか増えない方っていうのがいらっしゃるのです。
この違いはどういったものでしょうか?
それは、不動産のあがりを使うか、貯めるかということになると思います。あたり前ではありますが、単純にそういうことです。
不動産の賃貸収入は全部を使えるわけではない
不動産経営というのは税務署に提出する決算書上の利益と、収支は大きく異なります。決算書の利益だけ見て、ましては収入だけをみて、サラリーマンの収入の○倍を不動産で稼ぎました…的な触れ込みは危険なのです。
表面的に利益が出ているからといってそれを私用に使ってしまう方もやはりいらっしゃいます。給与でもらったお金、事業経営で稼いだお金とは全く違う種類の収入なのです。
特に建物とあわせて土地から購入した場合には要注意です。建物は減価償却できますが、土地については減価償却できず経費化できないのです。
その結果どうなるか…事例でみてみましょう。
2,000万円で土地付きアパートを購入したとします。
1,000万円が土地で、1,000万円が建物に区分できたとします。
借入金は全額2,000万円。10年で返済します。利息はとりあえず考えません。
中古物件で建物の償却は同じく10年。
収入は年間200万円。
前提条件としてはこんな感じです。
会計上の利益は収入200万円-減価償却100万円=100万円です。
やりました100万円もうかった
というのは違いますよね。
収支は収入200万円-借入金の返済200万円=0
そうです。収支は0なんです。
何も残らないんですね。
でも利息もかかりますし、もろもろの経費がかかることもあるでしょう。
不動産運用は実質収支で考える
すると、実質的にはマイナス収支ということもありえます。
だから金持ち大家さんは不動産のあがりには手をつけないし、これで生活しようとも考えていないわけです。相続対策や固定資産税対策と割り切っています。
土地を相続してコスト0でもっているから生活費を出しても成り立つんですね。
もちろん相続税というコストもあるわけですが。だからアパート経営というのは借入金を完済してからどれだけ稼げるかが重要なのです。
年々で投資を回収できるのか…その後どれだけ追加で儲けることができるのか?
つまり、不動産経営というのは、金融商品です。
投資した資金-再投資に必要な積立額=使えるお金なのです。
一般的には銀行から借りていますから、再投資に必要な積立額と借入金の返済とは一致します。将来的な修理を考えるとより以上の積み立てが必要となります。
決算書上の損益だけをみて、生活費にまわしたり、遊興費に使う大家さんは貧乏大家さんへの道まっしぐらといわざると得ないということです。