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プライベートバンカー・ウエルスマネジメント・ファミリーオフィス・エステートプランニング・資産税の専門家を目指す税理士のブログ-TaxAccounting&Financial Planning

会計事務所の新人研修を語ってみる

会計事務所の新人研修って?

4月になり、、いろいろな会社で新入社員が入ってくる時期だと思います。

自分はそもそも一般企業に就職してことがないので、想像の世界になってしまいますが、研修センターみたいなところに缶詰めにされて、新入社員研修とかやるのかな…なんて思っています。

さて、一般企業には就職したことがないわたくしですが、会計事務所という特殊な世界に就職しましたので、そこで一から先輩に教わって仕事を覚えていきました。

当時から当社は15人くらいの規模の事務所でしたので、それなりに先輩職員に教わったり、税理士についてお客様を訪問したりといわゆるOJT的な形だったと思います。

でも、インターネットとかを見ると大規模な税理士法人の採用サイトなどでは、こんな新人研修で…とか、たった数か月で1人前の担当者に!…なんて、思わず転職したくなりそうな研修システムや、福利厚生を目にすることもありますよね。

逆に小規模な会計事務所では、ほとんど新人研修らしいものがなくて先輩から盗んで覚えるべし…という話もよく聞きます。

会計事務所は職員が商品

会計事務所は、サービス業ですし、人が商品になります。

つまり、職員が主役の商売であって、芸能界でいえば芸人さんにあたりますし、プロ野球でいえば選手ということになります。

そこにお金をかけて育てないと事務所のレベルはあがっていきません。

また、職員によってサービスの質に大きな違いがあると期待したサービスの提供を受けられてないということでクレームにもなりますし、できる業務の範囲も限定されます。

介護や医療の仕事にも似ているかもしれません。

お客様と直に接する仕事だけに、ビジネスマナーや倫理感なども重要になってきます。営業的なスキルも必要です。職員研修は経営的には最重要課題なのです。

特に今は採用が困難な時代です。
会計事務所の採用は景気に左右されます。
一般企業が採用を控えると、いい人材が資格業界に入ってくるような流れになっています。

今は、売り手市場ですからなかなか我々の業界には入ってきません。
今いる人材を育てるのが第一であり、あとは採用時のハードルをさげて頑張って育てることが重要になります。

会計事務所の新人研修には何が必要か?

今年は夏に向けて当社でも採用活動を行っていくためいろいろ調べたり、考えたり機会が増えました。

会計事務所の新入職員研修にはどういったことを学ばせればいいのでしょうか?

まずは理念的な部分でしょうか…TKCの某事務所では座禅をさせたりということもあるようです。

採用面接でもきちんとみるべきでしょうが、自利利他的な考え方ができるかどうかという問題があります。

TKC事務所に限らず、お客様のお役立ち業である士業はお客様が喜んでくれる、経営がよくなる、社長の家族や従業員の家族も幸せになる…ことに喜びを感じられることが大事です。

決してお金のためだけではないし、出世や事務所拡大などの見栄や虚栄心だけでは一流になれない仕事です。もちろん、そういった欲がなければないで問題なのですけど。

事務所のとりまく御縁の中で課せられる責任はかなり重い仕事ですので、理念的なものであったり、人間教育的な部分は非常に重要になります。座禅したからどうというわけでもなく、なかなか教えられるものではないですけどね。

次に実務的な部分です。

ここも知識と実践の2種類の学び要素があると思います。
知識がないとどうしようもないのが会計事務所の仕事です。
特に月次監査や経営支援など顧客接点を重視している事務所では、一人で担当をもって自己完結できるかどうかがまずは最初の目標になるでしょう。

簿記会計、法人税、消費税、所得税、相続税などの税務知識、社会保険や給与計算、IT関係など覚えるべきことはたくさんあります。

法人の担当になった場合には、決算が組めるかどうかが大きな壁として立ちはだかることになります。

次に経営計画であったり事業計画などの策定支援をしたり、PDCAの支援をしている場合には経営に関する知識も必要になります。

どうやって勉強させるか…?
難しい問題です。時給のつかない業務時間外にはやりたくない…というツワモノもでてきます。

当社の場合には、所属しているTKCの集合研修やオンデマンドの研修、ほかの研修業者のDVDやオンデマンドの研修素材を使ってカリキュラムを整えたいと考えています。本当は自分が教えればいいのでしょうが、なかなかさける時間もなく…。

OJTというのもデメリットがあります。
ベテランスタッフにOJTを任せるとベテランスタッフの癖がついてしまっていたり、標準形ではない仕事のやり方をしているケースもあるのです。
○○さんは現場で意味ないからやらなくていいって言っていました…なんてことも生じてきます。

マニュアルやルールをがちがちにやると…というのがわかって省略しているのと、最初から意味ないと無視するのとは全く違います。

結局は…

結局、会計事務所の研修なんてやる気や熱意次第ということでしょう。
研修をうける新人スタッフの熱意でもあり、教える教育担当のスタッフであり、所長の熱意でもあります。
事務所全体の教育訓練にかける熱量しだい…ということではないでしょうか。
身も蓋もない結論ではありますが。

最後に会計事務所のスタッフとしてもっておいたほうがいい資格は何か…というのがあります。

まずは簿記3級、そして2級というのは必須ですよね。これを採用条件にしている事務所も多いと思います。

次にとるべき資格は、FP技能士3級、2級ではないでしょうか。

すくなくともFPの知識は会計事務所の仕事をやるうえでは必要不可欠だと思います。

 

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