今度やる無料セミナーの原稿をもとにブログの文章を作っています。
家族信託の部分はだいたいこんな感じになります。
家族信託って何だろう
認知症対策の本命と考えられているのが、家族信託です。
最近ちらほら聞かれるようになってきた家族信託ですが、2月に放映されたNHKのクローズアップ現在でみた人も多いかもしれません。
信託というと信託銀行などを思い浮かべるかもしれませんが、プロがやる信託を商事信託といってあくまでもビジネスとしてやるもので信託業法という規制がありますが、ビジネス以外でやるものは民事信託といって規制もあましなく、基本的には誰でもできます。
特に家族の問題を解決するために、家族内で行うものを家族信託といいます。
(家族信託という用語を商標登録をしている団体もありますが、ここではこのように定義したいと考えています)
基本的には、財産の一部を信託をいう器にいれて、家族の誰かに管理を任せるという制度になっています。
簡単な図で説明します
- 登場人物は基本としては2人ないし3人です。
- お父さんの財産、例えばアパートを信託財産という器にいれて長男に管理を任せるという図になっています。
- 財産のもともとの所有者である委託元のお父さんを委託者といい、任された長男を受託者といいます。
- 信託の器、信託財産に移ると登記の名義も受託者である長男になるため、長男だけで入居者との契約や建て替えなども可能です
- 長男がアパートを管理して生ずる家賃収入なども利益は受益者であるお父さんが得るという形になります。
- これを受益信託といいますが、この形であれば贈与とか譲渡といった税金の問題が発生しないことになります。
- お父さんが亡くなったら妻であるお母さんが権利を引き継ぐことができます。逆に最初から妻を受益者にしてたら設定段階で贈与税が生じてしまいます。
- 亡くなったら妻へとしておくことぜ相続税の対象となります。
- 指定するのはお父さんが死んだときだけでなく、お母さんが死んだときという設定もできるため、お母さんの後は次男、次男の後はその妻、その次は本家に財産を戻して長男の子(孫)という設定もできます。
- この結果、子供のいない夫婦が相続した先祖伝来の資産の承継問題も解決ができそうです。
家族信託を利用するメリットデメリット
メリット
- 長男に信託財産の管理を委託すれば父が認知症になっても受託者である長男名義で契約ができる
- 信託受益権だけを贈与や相続で移転できる
- 遺言の代わりになるし、子供のいない夫婦などで2段階、3段階の承継の設計ができる
デメリット
- そもそも家族の中に財産管理を任せられる人がいないとなりたたない構図。事例では長男が受託者だが、こういった差配ができる人がいあいとなりたたない。(商事信託で対応することはできるかも)
- 信託財産以外の財産の管理や老人ホームの入居などの契約行為はやはり成年後見制度を使わないといけないケースがある