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プライベートバンカー・ウエルスマネジメント・ファミリーオフィス・エステートプランニング・資産税の専門家を目指す税理士のブログ-TaxAccounting&Financial Planning

相続分野での税理士と弁護士の連携の仕方を考えてみた

ブログを見てくれてありがとうございます。

相続に強い税理士として重要となるのが、他士業や他業種との連携やコラボです。

法律分野は特に縦割りになっているので、得意不得意が割と別れやすい分野です。

士業の業際もあり、トラブルのもとにもなるので注意が必要ですよね。

非弁行為、ニセ税理士行為はダメ、絶対!

弁護士さん、そんなに敷居は高くなかった

当社では現在、10人くらいの弁護士の先生と連携をしています。

最初の先生との出会いはもう10年近くなると思いますが、開業医のお客様からのご紹介でした。

自分の姪の夫が弁護士なのだけど、姪が妻として確定申告をしているけど大変そうだから手を貸してほしいというのがスタートだったと思います。

怖いお医者さんの先生だったので、はい喜んで…としか答えようがありません。

弁護士の先生にお会いしてみると、年齢も近く、たまたま高校の先輩だったことや親が転勤族という共通項もあって、お手伝いをさせていただきました。もちろん、お友達価格というか、そんな感じです。

そこから紹介、紹介という形で、まずは確定申告のお手伝いという形で支援をし、その先に紹介をしあうという形で連携しています。

先生の確定申告はお友達価格で、ご紹介の相続税などの仕事は正規の報酬をもらうという感じでウインウインを目指しています。

元々相性のよい弁護士の先生のご紹介なので、やはり同じような雰囲気の先生だったりしますので、敷居が高くなくお手伝いをさせていただいています。

相続の仕事で注意が必要なのは?

相続の仕事を一緒にやることが多いのですが、やはり税理士の常識と弁護士の常識は多少違うかなと思うことがあります。

例えばこんなことが相談されたり、あれっと思ったことがあります。

分割の基準はいつか

分割の基準日、弁護士さんは今ある財産をどう分けるのか、つまり分割協議の日が基準ですが、相続税では亡くなった日現在を基準にして財産評価やどう分けたかを考えないといけません。

実際に分割したのが1年後、2年後、3年後だとその時ある財産でしか分割できませんが、相続税では亡くなった日の財産での振り分けが必要となります。

我々税理士の行う相続税の仕事は亡くなった日でいったん止まるというのが特徴になっています。

遺産分割の確定後に再分割できるのか?

次が再分割できるかという話です。

10か月以内に分割を決めないといけない、とはいえ、納得できずに一度決めた分割を取りやめて再分割したいというのも時々弁護士さんに聞かれます。

民法では合意すれば可能なようですが、税務上は再分割はダメといわれています。

交換や贈与の扱いになり、譲渡所得税や贈与税がかかることがあります。

相続分の譲渡や贈与はできるのか?

次に相続人以外の人に遺産をあげたいというケースもあります。

民法改正で議題にもなっている介護をしてくれた長男の嫁にも遺産をわけたいというようなケースです。

遺産分割協議には法定相続人以外は参加できませんが、法律上は第三者にも「相続分の譲渡」ができるようです。自分の相続分を夫婦間や親子間、他人でも譲渡や贈与できるようです。

ただし、これも相手が法定相続人以外の人だと、税務上はいったん相続人が相続した後で、譲渡又は贈与の扱いになります。

相続人以外に遺産を分けたい場合には、生前の準備であれば遺言で指定するか、資産家の場合は相続税対策で養子という方法もあります。

死後に…というのであれば相続人から贈与で少しずつというのが現実的なのかもしれません。

裁判所が絡むと少し面倒くさい

成年後見人などで弁護士さんが入っていて、裁判所が絡むと多少面倒くさいようです。

遺産分割協議や遺留分減殺請求など、分割確定に裁判所が絡んだりもします。

遺言執行者の顔を立てる

遺言執行者に弁護士さんが入っているケースでは、やはりプロジェクトリーダーは遺言執行者の先生になります。

遺言執行者の先生からご依頼を受けている前提で、まず遺言執行者の先生が受遺者に連絡し、税理士の候補として紹介を受けた後で動くという立て付けが必要になります。

子分、という表現をされることもありますが、あくまでも一歩引いて…という姿勢が必要だと思います。

学歴コンプレックスや資格コンプレックスは考えない

資格業界特有かもしれませんが、学歴コンプレックスや資格コンプレックスを持っている人がいるかもしれません。

弁護士の先生は、高収入かといわれると微妙な時代になってきていますが、高学歴で一番難しい資格に合格した人たちです。

さすがに引け目を感じてしまいます。

が、自分は弁護士になりたいと思ったことはないし、ストレス高そうだし大変だな…としか思いません。

変なプライドやコンプレックスは仕事をやるうえでは邪魔になるだけです。

20代から開業医の先生の仕事ばかりやってきたせいか、医者よりはまし(怖くない)というのが弁護士の先生の印象です。

お前は一流大学卒か?と言われると、別に学歴コンプレックスもないので何ともいえないですが、他人と自分を比較するという感覚は意識的にもたないようにしたほうがいいと思います。そんなの無駄ですから。

自分の資格を最大限にいかすように、プロとして自分を高めれば弁護士やドクターとも対等に仕事ができるし、相互に認め合えると思っています。

コンプレックスって、結構卑屈に見えますから恰好悪いし、相手もわかります。

資格カーストというものがあるとして、自分の資格よりも難しいと一般に言われる資格者と一緒に仕事をするうえでは、絶対にコンプレックスなんて考えないことが必要だと思っています。

 

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