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プライベートバンカー・ウエルスマネジメント・ファミリーオフィス・エステートプランニング・資産税の専門家を目指すブログ-TaxAccounting&Financial Planning

租税法に強い税理士になるための道のりは長くて険しい?

税理士は全員、税法の専門家なのか?

税理士だからといって税法、租税法に詳しいというのは幻想である」ということからはじめてみます。

僕は20代のうちから税理士になってすでに登録して15年以上税理士をやっていますが、税法や税務には最初は全く興味が持てなかったというのが正直なところです。

元々はちょうど就職氷河期で、会社員になっても仕方ないし、父親のようなサラリーマンも向いてないから就職活動や~めた!という大学4年生のところからのスタートだし、なんでもいいから専門家になってその道を究めることで社会に貢献したい、のし上がりたい、というのが始まりなので、あまり税法は好きではありませんでした。

そして大学でも商学部ですからマーケティングなどが花形のゼミだったりして、そういったことにも憧れを持っていたりして。

そうはいってもニートですから税理士にならないと先にすすまないので、税理士資格は取得しましたが、ITベンチャー全盛の時代ですからキャリアの中で最初に興味をもったのは情報処理やベンチャー経営についてでした。

税理士事務所に就職したので会計やITは当然に求められるし、仕事にも役に立ってそれなりにうまく仕事はスタートできました。

これからは資産税だと認識はしていたが…

一方で、高齢化社会になって相続税や資産税が今後伸びると思ったのが、税理士登録をしてすぐの頃です。

次第にFP資格や宅建など資産税まわりのことにを勉強しはじめます。

それでも法律分野、本業である税法ですら苦手意識というか、どうやって勉強すればいいのかわからない状況が続きました。

この時期はこのまま法律が苦手でいいのか、会計まわりを中心に仕事をしたほうがいいのか、そんな迷いの中にいました。

いろいろな資格に挑戦したというのもそういった不安からだったのかもしれません。

そんなときに、事務所で行政書士法人を設立するから登録してみないか、ということになり、行政書士登録をすれば行政法や会社法、民法など勉強することもあるだろうと思って行政書士登録もしてみました。

税法の勉強の前に行政法を学ぶ

行政書士になってわかったことは行政法という領域があるということです。

行政書士の先生たちには申し訳ないくらいですが、税理士資格で登録しているものですから行政法をきちんと勉強したことがなくて、行政法という法律があると思っていたくらいです。

もちろんそんな法律はなくて、いわば束ねて総称した領域ではあるのですが、行政書士会の研修に東京まで通って行政法を一から学んでみました。

その研修では行政法のそのまた一領域として税務訴訟の基本のところを学ぶことができました。租税訴訟学会でも活躍している弁護士の先生が講師をしていたことから税務訴訟にも興味をもつことになりました。

おそらくこの救済法や手続法は租税法とリンクしている、と思って、そこから勉強を強化していきました。

sozei-soshou.jp

大学院の補佐人講座を受講する

その次に取り組んだことが税理士会が大学院と提携している補佐人口座の受講です。

補佐人というのは裁判で弁護士などの訴訟代理人に専門家として同席して補佐するという役目の仕事です。

当時は筑波大学、早稲田大学、慶應大学の3つの大学で講座があり、自分は母校でもある慶應義塾大学を選んで1年間通いました。

 

不服申し立てなどの救済制度から税務訴訟までの流れや判例、裁決の読み方まで一通り学べて最後には模擬裁判に取り組むというカリキュラムで、訴訟実務を学ぶいい機会になりました。

正直、内容として覚えていることはあまりありません。知識なんてすぐに忘れてしまいますが、法的なあぷろアプローチなどリーガルマインドの基本を身に着けるとともに、法律や税法を自分で勉強する、ということを自分なりに模索できた気がします。もちろん、1年間毎週ではなく隔週でしたが授業もあり、予習復習もそれなりにしないとついていけません。そこで社会人としての資格取得以外の勉強の習慣も身に着けました。

あの時間がなければ今の自分がないかもしれません。

おそらく未だに会計や経営のことを中途半端に勉強してみたり、税法の勉強を暗中模索していたことでしょう。

結局、自分にとって大事なことや身につけないといけなかったことは、誰かに知識を与えられる、ということではなくて、自分で勉強するから勉強のやり方を教えて!っていうことだったんだと思います。

アプローチの仕方は取り組みかたのフックのところがわからなくもがいていたのかな、と思っています。

そこからさらに法学部の学生や司法試験受験生向けの法律の勉強の仕方や法的な論理的思考法など本を買って自分で学んだりもしました。

そのへんのことはまた機会があれば書いてみようと思います。

ただ、書籍としては木山泰嗣先生の著書で、特にこの本がとても役に立ちました。よろしければ是非読んでみてください。

 

法律に強い税理士になる―リーガルマインド基礎講座

法律に強い税理士になる―リーガルマインド基礎講座

 

 

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