仕事っていったい何が正解なんだろう?
例えば税理士が行っている税務の取り扱い、グレーゾーンがあるとはいえ正解は税法の中にある程度はあります。
理数系の感覚の人は白黒のつきやすい税務の世界はしっくりいきそうな気がしますが、文学とか芸術の正解って、いったい何が正解なんだろうって思ってしまいます。
国語の試験で作者の気持ちを聞かれても「他人の気持ちなんて知らねえ!」としか言えませんが、仕事もまさにそれ!
上司にとって正解だったとしても、俺にとっては不正解なんだけど・・って思ったことは誰にでもあるはず。
仕事の正解って非常にあいまいで相対的なものだし、昨日は正解だったものが今日には不正解になることもあります。
「そんなあやふやなもののために何で怒られたり、叱られたりしなきゃなんないの???」
って心の叫びが思わず口からでそうにもなります(言ったらおしまいだけどね)。
正解なんて世の西洋、時の経過によって異なるもんで、勝てば官軍負ければ賊軍って昔から言うでしょ!
仕事の正解は人それぞれでいい
それでも、何かにすがりたくて人はビジネス書を読んだり、マニュアル本やノウハウ本を読んだりして自分なりの正解をつくっていくのだと思います。
何とかって著名な人が言っていたとか、歴史上の有名人が言っていたとか、論語がどうだとか、、、。
それって誰の受け売り?って言っている人に聞きたくもなりますよね。
でも、正解ってそれぞれの中にあるものだし、それがその人のアイデンティティなのだから人それぞれの正解があってもいいと思います。
一番悪いのは、思考停止状態になることです。
自分で考えずに上司や本とかネットの情報をうのみにすることや過去の成功体験にしがみつくことなのではないでしょうか?
仕事での問題解決は7つのステップがある
ビジネスマネジャー検定では問題発見とその解決方法として7つのステップが紹介されています。
もちろん、前回の記事で紹介したようにヒューマンエラー、人的ミスは生じないにこしたことがありません。
仕事や業務でミスが生じないように、そして日々の業務を改善できるように毎日少しずつでも取り組むことが大切です。
1日1%でも業務効率が効率出来たら、1年間ではどれくらいの効果が生じるのか?
数字に強い人なら計算すればできるのでしょうが(僕には無理)、すごいことになりますよね。
TO-BEとAS-ISのギャップやズレを認識する
それでは我々が認識すべき問題とはなにかですが、現在の状況と本来あるべき姿のギャップやずれを意味します。IT業界などでは、「TO-BE」と「AS-IS」なんていうのかもしれません。
ASーISとは、”現状のままで、今あるがままの”の意味で、TO-BEとは、”あるべき、これからの”の意味になります。
まず、あるべき姿と現状のずれを認識する必要がありますが、これには「異なる視点による問題発見」と「比較による問題発見」の2つの方法があります。
やはり同じメンバーで同じ仕事をしていると慣れが生じて目が曇ってしまうこともありますから、新しく配属されてきたメンバーや他業種からの転職のメンバーの味方などを参考にしたり、動画で撮影して客観的に眺めてみる、という手法も有効となります。
また比較による方法は、前年との比較、前期との比較、他社や他部門との比較など比較したうえで分析するという手法となります。
問題発見の7つのステップとそこで必要なスキルや考え方
ここでもトヨタ式が参照されるわけですが、トヨタ式に代表される問題発見の仕組みとして「問題発見の7つのステップ」があります。
トヨタではこのうち1と2を特に重視しているようです。
- 問題を明確化するための現状把握・・・三現主義、数値化
- 真の原因の探求・・・WHYツリー、正しい問い、MECE、4M、QCD
- 改善目標の設定・・・数値化、KPI、KGI
- 改善計画の立案・・・HOWツリー、コスト視点、QCDやKPIの設定
- 改善計画の実施・・・創発戦略、報告・連絡・相談
- 効果の確認・・・数値化、PDCAサイクル
- 成果の定着化・・・マニュアル化
三現主義とは?(ステップ1)
ここで1の問題を明確化するための現状把握として三現主義というのがあります。
聞きなれない言葉かもしれませんが、問題は現場にあるという視点が大事ということのようです。
- 「現場(実際に問題が起こった現場に行くこと)」
- 「現物(問題が起こったそのモノを実際に確認すること)」
- 「現実(生じた事実をありのままに確認すること)」
この3つを重視せよっている教えです。
ロジックツリーで真の原因を探求する!(ステップ2)
税理士の仕事でもいえますが、浮かび上がってきた問題点について対症療法だけで済ませるケースも多いように思いますが、本当は根本的な原因を探求して、真の原因を取り除く必要があります。
ミスを連発する、お客様が離れていく担当者が必ずいると思いますが、真の原因が何かを追究しないままにしていると、事務所の品質はどんどんさがってしまいます。
そこで利用されるフレームワークがロジックツリーです。
最上位がイシューと呼ばれ、そこからツリー状に要素を分解していく形です下位の要素ことをボックスといいます。これがもれなく抜けなく分解していくというのがいわゆるMESEとなります。
ロジックツリーの作り方にはWHYツリー、HOWツリー、WHATツリーと3種類あり、それぞれ使い方が異なります。
まず、要因項目をあら出すには「何があるか」というロジックツリーになりますからWHATツリーが使われます。
ここでは人、機械、材料、方法という問題発見の4Mと言われる手法が用いられたり、Q(品質)・C(費用)・D(納期)の視点が大事などと言われたりします。
そこからなぜ?なぜ?なぜ?という形でWHYツリーを使って真の原因に迫るわけです。
そしてHOWツリーはどんな場面で使うかというと、どうやって、どうやって?ということですから具体的な改善策を検討する場面で使うわけです。
数値目標と目標期限を設定する(ステップ3)
KPIとかKGIとかいう言葉があります。
会計事務所では月次監査実施率がKPIといわれてもいますが、最近は最重要ではなくなってきているように自分では感じています。
- KPIとはKey Performance Indicatersの頭文字をとったもので日本語では「重要業績評価指標(先行指標)」と訳われます。目標を達成する過程を計測するための中間目標のことです。
- KGIとは Key Goal Indicatersの頭文字をとったもので日本語では「重要目標達成指標(最終目標)」と訳されることがあります。ゴールですから最終目的地です。
PDCAサイクルをまわす(ステップ4~6)
ステップ4から6はいわゆるPDCAサイクルのイメージだと思います。
改善計画を立案し、実施し、効果を確認する、まさにPDCA。
ベンチャー経営者などがよく口にするように、計画をするだけではだめで実施することが大事です。掛け声だけであったり、ミスを叱ってそのあと具体的な改善の指示をしない経営者も多いと思いますが、これではダメですよね。
そして実施したら必ず効果を測定して、目に見える結果や結論をだすことが大切です。
仮に結果がでなかったとしても、振り返って一定の結論がでていれば、別の方法を試してみたり、新たな改善につながる可能性もあります。
現場に見える形で終わらせないとやらされた感だけが残ったり、忘却の彼方に追いやられたりしてしまいます。
マニュアル化して現場に落とし込む(ステップ7)
最後の仕上げは成果の定着化となります。
定着化するには作業方法を標準化するためにマニュアル化などをして現場に落とし込む必要があります。
チームメンバーに新しい作業法を周知徹底するとともに、新しい作業の訓練をすることで成果を共有化し、定着化することに繋がります。
会社は大いなる実験場だ?!
最近仕事をして「わくわく」していますか?って聞かれたら困りますよね。
でもせっかく人生の大部分を会社で過ごすのですから、わくわく?どきどき?しながら仕事ができらばいいなって思います。
- こんなやり方でやってみたらもっとうまくいくかも??
- この仕事って惰性でやっているけど本当は無駄なんじゃないか?
- あのお客さんって怖いけど、一生懸命やって認めてもらえたら最高じゃん?
なんて思いながら仕事をしたら面白いと思います。
昨日と同じ職場で、何年も同じ作業を繰り返す、なんて今の時代ではありえません。
役所でもない限り、士業の事務所であっても民間企業なんて少しずつでも改善しないと生き残れない時代です。
だったらゲーム感覚でもいいから楽しみながら成長して、お客様や社会に貢献できる存在になろうっていうのが今日のまとめです。