AmazonKindleのアンリミテッドで見つけて読んだ本がメタ思考トレーニングという本です。メタ思考、、、と言っても馴染みのない言葉ですが、僕はビジネスマネジャー検定で「メタ認知」という用語を勉強していたのでなんとなく想像はしながら読んでみました。
メタ認知とは何か?
メタ認知とは何かというと、アメリカの心理学者が使用した用語ということで、ビジネスマネジャー検定のテキストにこのように書かれていました。
メタの言葉自体に高い次元という意味があり、自分を見つめるもう1人の自分がいるという意味で「認知の認知」ともい呼ばれることもあり、自分の活動をコントロールすることをいいます。
メタ認知に優れた人とは、客観的な自己診断やモニタリングができる人をいいます。
わかったようなわからないような感じがしますが、いうなればある種の幽体離脱です。一段高いところから見下ろして自分自身を客観視できることを表しているのだと思います。
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メタ思考トレーニングの著者「細谷功」
東京大学工学部から東芝に入社、その後に経営コンサルティング会社などのキャリアを経てビジネスコンサルタントをしているようです。
著書には地頭力を鍛えるなど多数あります。実は本棚に本が2冊ありました。
何のためにメタ認知やメタ思考が必要なのか?
一つ上の視点から考えてみることが重要なのはなんとなくわかります。人間はだいたい主観的な生き物で、目に見えるものだけを信じるようにできています。
ただ、目に見えるものと言っても人間と犬では見える風景が違うだろうし、子供と大人、男女でも微妙に違う、同じ人でも昨日と今日とでは全然感じ方が違うということだってあると思います。
主観にとらわれると実は色眼鏡で見ているということだってあります。「常識なんて疑ってかかったほうがいい」「マスコミに流されるフェイクニュース」とは今の年齢だからこそ言えますが、10代や20代の頃は刷り込まれた常識やしつけで物事の本質を見落としていたようにも思います。
普段、主観的に自分の頭で考えている、、と思っているものは実は他人に刷り込まれた常識だったり、思い込みで「他人の頭で考えた」つもりになっているだけなのかもしれません。
本当に「自分で考える」ってどういうことのなの??
というのが問題提起。
この本で示されているのはこの常識を疑うことなのかもしれませんが、一つ上のレベルから考える意味として3つのことが紹介されています。
一つ目は、私たちが成長するための「気づき」を得られること
続いて二つ目は、「思い込みや思考の癖から脱する」こと
最後の三つ目は、上記二つで得られた気づきのや発想の広がりを基にした創造的な発想ができる、ということ
この本では、WHY(なぜ?)という問いかけによってメタの視点に広がって新しい方法を考え出すやり方と、抽象化という手段でメタの視点に上がり、遠くの世界から借りてくることで斬新なアイデアを生み出すアナロジー(類推)思考をとりあげています。
また、メタ認知やメタ思考には得意不得意がありますが、慎重さと行動力というところで実はメタ認知が低い人でも行動力が高くて社会的には地位が高くなることもあるという話もでていきます。
会社内、人事的にどちらの能力が評価されるのかどうかという問題もありますが、若くて行動力が評価される時期はよくても、メタ認知能力が低い人が上司になった場合には思い込みや視野の狭い判断で組織を動かす可能性も高いということで、ビジネスマネジャー検定でも「メタ認知」についてテーマに入っているのかもしれません。ちなみにこのようなメタ認知が低い人が陥る状態を「思考停止」として紹介されています。
とにかく、現在のマネジメントにとってはこのメタ思考が非常に重要ということにはなりそうで、このメタ思考を鍛えるための発想や問いかけがこの本には紹介されています。
地頭力を鍛えるということ
本棚から同じ著者の本を取り出してさらっと読み返してみましたが、基本的には同じことが書かれていました。
著者は地頭力を鍛えるというテーマで本を書いているのですが、メタ思考は他の著書ではフレームワーク思考と呼んでいるものとほぼ同義で使っているようです。
著者の考える自他また力のポイントは次の3つ
- 結論から
- 全体から
- 単純に
さらにその思考力をまとめると、
- 仮説思考力
- フレームワーク思考力
- 抽象化思考力
メタ思考はこのうちの全体から・・ということでしょうか。全体か眺めること、抽象化して類推し、結論(仮説)から考えること、、ということで、基本的に伝えたいことは一貫しているのかな??という感想でした。
最近の就活では地頭力も試されるようになってきているといいます。外資系コンサルタント会社などで使われていたような思考も最近では一般化してきていますが、そういったコンサルの第一線だけではなく、どの職場でも自分で考える力が必要とされているのかもしれませんね。
AI時代になると、我々税理士にとっても必須のスキルになりそうだな~ ( ゚Д゚)
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