この数年、医療機関の事業承継や廃業などの相談を受け、実際に支援するといったことが多かった気がします。
事業承継には大きくわけると親族への承継と親族外承継があり、親族外の承継のなかでもMBOといわれる幹部社員や勤務医への承継と、第三者への承継であるM&Aとがあります。
顧問税理士や会計事務所の立場としては親族内の承継であれば気が楽です。
親族外であっても幹部社員への承継であれば、内部的な承継であるため十分に対応可能な範囲であることが多いでしょう。
これに対して第三者承継、M&Aとなると、顧問税理士としてはちょっと身構える部分が多いのではないでしょうか。
特にクリニックの院長先生からこういった相談を受けたときに、情報収集が必要となってきますが何から始めればよいものやら。
そんなときに購入したのがこの本です。
一般社団法人医業承継士協会で書いている書籍ですが、クリニックの顧問先が多い行政書士や税理士、弁護士、社労士といった士業の方たちが執筆されているようです。
メインで書いている行政書士の方は、行政書士会の支部の研修を受講したこともある方でした。
街のクリニックが対象ということもあって知りたいことが網羅的かつわかりやすく書かれてとても参考になりました。
もう1冊参考に購入したのがこちら。
大手税理士法人の山田&パートナーズの書籍で、医療法人に特化しており、医療法人の制度を基礎的なところから、組織再編までを紹介しています。
こちらは街のクリニックだけでなく、少し大きな病院までをターゲットにしているのかな、というところです。
組織再編のあたりなどはちょっと専門性が高い部分もあり、読みごたえはあります。
同じ山田&パートナーズの書籍では事務所の書棚にあったこちらの本のほうが、基礎的な内容で初学の段階では読みやすいかもしれません。