資格ライフ.COM 

税務をより深く探求する税理士/FP/プライベートバンカーのブログ-

法人税と簿記会計の関係性と税務会計という分野の勉強

今日の朝活で読んだ本はこちらの税務会計に関する書籍。

普段はあまり法人税関係の書籍を読むことはないのだけど、続いていた相続税の申告書の提出がひと段落ついたので、たまには法人税をちゃんと勉強し直そうと思ってみました。

税務会計とは何か

会社の経営において、会計は非常に重要な役割を果たします。

その中でも、特に重要になるのが「法人税」と「税務会計」です。この二つは切っても切り離せない関係にあります。

一般的に、企業活動で得た所得にかかるのが法人税です。この所得は、会計で計算された利益をもとに計算されます。

しかし、会計上の利益と税法上の所得は必ずしも一致しません。そこには、税法のルールが適用されるからです。この、税法上のルールに則って計算を行うのが税務会計の役割です。

この記事では、法人税の仕組みを理解する上で欠かせない、基本的な考え方と具体的な会計処理について、分かりやすく解説していきます。

法人税法の基本原則

法人税法を理解する上で、二つの重要な原則があります。

まず一つ目は、「租税法律主義」です。

これは、どのような行為に対して、誰が、どのくらいの税金を払うのかということを、法律で明確に定めておく、という原則です。これにより、国が恣意的に税金を徴収することを防ぎ、納税者の権利を守ることができます。

二つ目は、「実質課税の原則」です。

これは、取引の形式や名称にとらわれず、その経済的な実態に応じて課税を行うという原則です。例えば、名目上は贈与や寄付であっても、実態として対価性がある取引であれば、それに適した課税がなされます。

これらの原則は、税法が公平かつ公正に適用されるための土台となっています。

トライアングル体制 - 3つの会計の役割

企業会計には、目的や適用される法律が異なる三つの会計が存在します。これらは、まるで三角形のように互いに関連しあっています。

  • 会社法会計: 会社法に基づき、会社の財政状態や経営成績を株主や債権者などの利害関係者に示すための会計です。配当可能額の算定などに用いられます。
  • 金融商品取引法会計(金商法会計): 金融商品取引法に基づき、上場企業などが投資家に対して、経営状況を正確に開示するための会計です。
  • 税務会計: 法人税法に基づき、課税所得を正確に計算するための会計です。

これら三つの会計は、それぞれ異なる目的を持っていますが、基本となる会計ルールは共通しています。それは、「公正妥当な会計処理の基準」に従って計算を行うというものです。

しかし、税務会計では、この基準に加え、税法特有のルールである「別段の定め」が適用されます 。この「別段の定め」によって、会計上の利益と税法上の所得との間に差異が生じるのです。

確定決算主義と税務調整

税務会計において、「確定決算主義」は非常に重要な考え方です 。

これは、法人税の課税所得は、企業が自ら作成し、確定させた決算に基づかなければならない、という原則です。この原則により、企業の自主的な会計処理が尊重されます。

ただし、先ほど述べたように、会計上の利益と税法上の所得は異なります。この差を調整する手続きを「税務調整」と呼びます 。

税務調整には、大きく分けて二つの種類があります。

1. 決算調整事項

これは、損金として計上するために、決算書に記載することが要件とされている項目です 。例えば、減価償却費の損金算入などがこれにあたります 。減価償却費は、会社が会計処理として費用計上していなければ、税務上も損金として認められません。

2. 申告調整事項

これは、決算書とは関係なく、法人税の申告書上で調整を行う項目です。さらに、これは二つに分けられます。

  1. 任意の調整項目: 会社が任意で調整を行う項目です 。例えば、受取配当の益金不算入や、所得税額控除などが挙げられます 。
  2. 必須の調整項目: 会社が必ず調整しなければならない項目です 。減価償却の償却超過額、役員給与の損金不算入、交際費の損金不算入などがこれにあたります 。

益金の額と損金の額

課税所得は、「益金の額」から「損金の額」を差し引いて計算されます 。この益金と損金についても、税法上でその範囲が定められています。

益金の額とは

益金の額とは、法人に帰属する収益を指します 。

具体的には、資産の販売、資産の譲渡、役務の提供、無償による資産の譲受、その他、資本等取引以外の取引から生じる収益がこれに該当します 。

損金の額とは

損金の額とは、法人に帰属する費用や損失を指します 。具体的には、売上原価や販売費、一般管理費、その他資本等取引以外の損失が該当します 。

また、損金の額を認識するためには、「債務確定主義」の要件を満たす必要があります 。この要件は、以下の3つです。

  1. 期末までにその費用に係る債務が成立していること 。
  2. 期末までにその債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること 。
  3. 期末までにその金額を合理的に算定できること 。

これらの要件を満たさないと、費用として認められない場合があります。

まとめ

法人税と税務会計は、会社の財務状況を正確に把握し、適正な納税を行うために不可欠なものです。

会社法会計、金商法会計、そして税務会計という三つの会計は、それぞれ異なる目的を持ちながら、互いに連携しています。

そして、「確定決算主義」という大原則のもと、会計上の利益と税法上の所得の差異を「税務調整」によって修正することで、最終的な課税所得が計算されます。

以上が本日の朝活のまとめとなります。この記事が、法人税と税務会計の関係性について理解を深める一助となれば幸いです。

 

 

【SPONSOR LINK】