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FIRE達成への守護神?「金(ゴールド)」を組み込む戦略的思考

このところ右肩上がりで上昇を続けていた金(ゴールド)の相場ですが、1月の終わりに下落したことで、ポートフォリオに加えることを決めました。

今回のポートフォリオの見直しは、iDeCoで積立をしていたひふみ年金の残高をすべてゴールドの投資信託への組換えをしようと思います。

なぜこの方法かというと、iDeCoであれば含み益に課税されないので、組換え時のキャッシュアウトを抑えることができるからというのと、最近の日本株の株価上昇でポートフォリオ内での日本株のウエイトが増えている、というところが理由です。

これでポートフォリオに占める金(ゴールド)の割合は5%となりそうです。そのあとはiDeCoと投資信託で、月次の積立額の約10%の割合で積み上げていきます。

金融資産もそれなりに増えてきて、数年後には大台も見えるところまで来ているので、そろそろ守りを意識した運用というのも意識しています。

そこで将来のFIREに向けて、ポートフォリオに金(ゴールド)を組み入れることのメリットとデメリットを考えていました。

FIREへの道のりは、単なる「攻め」だけでは完結しません。資産をいかに減らさず、持続させるかという「守り」が重要になります。

そこで注目されるのが、数千年の歴史を持つ現物資産、ゴールドです。

1. FIRE戦略におけるゴールドの「3つのメリット」

ゴールドをポートフォリオに加える最大の理由は、一言で言えば「資産の保険」です。

インフレに対する圧倒的な耐性

FIRE後の最大の敵は「物価上昇(インフレ)」です。

現金(円やドル)の価値が下がっても、金の価値は相対的に維持されます。

過去の歴史を見ても、紙幣が紙クズ同然になったことは何度もありますが、金の価値がゼロになったことは一度もありません。

株式との相関性が低い(分散効果)

株が暴落するとき、金は上昇する(あるいは維持される)傾向があります。

これを「負の相関」と呼びます。ポートフォリオに金を含めておくと、暴落時の資産の目減りをマイルドにし、精神的な安定(FIRE生活の継続)を助けてくれます。

「究極の安全資産」としての心理的支柱

世界情勢が不安定になると、投資家は「有事の金」に逃げ込みます。

FIRE達成後に市場が混乱しても、「金があるから最悪の事態は免れる」という安心感は、リタイア生活を維持する上で計り知れない価値があります。

2. 知っておくべき「3つのデメリット」と罠

一方で、ゴールドは「魔法の資産」ではありません。

特にFIREを目指す上では、以下の欠点が重くのしかかります。

「キャッシュフロー」を生み出さない

これがFIRE民にとって最大の弱点です。

金は持っているだけで配当金や利息を生むことはありません。

FIREの根幹である「資産からの所得(4%ルールなど)」に貢献しないため、保有割合が高すぎると、資産の成長スピードを鈍らせてしまいます。

保管コストや手数料がかかる

現物で持つなら盗難リスクや金庫代、ETF(上場投資信託)で持つなら信託報酬がかかります。また、購入時のスプレッド(売買手数料の差)も無視できません。

為替リスクの影響を強く受ける

金は世界的に「ドル建て」で取引されます。

日本人が投資する場合、金の価格自体が上がっても、強烈な「円高」が進むと、円建ての資産価値は目減りしてしまいます。

3. FPが考える「FIRE向けゴールド投資」の最適解

では、FIREを目指す過程で、どのように金と付き合うべきでしょうか?

理想的な配分は「5%〜10%」

結論から言うと、ゴールドは「ポートフォリオの5%から、多くても10%程度」に留めるのがFPとしての推奨です。

なぜなら、FIREには「資産の成長(株式)」と「安定した収益(債券・配当)」が不可欠だからです。金はあくまで、それらが機能しなくなった時のための「予備のエンジン」と捉えるべきです。

おすすめの投資手法

純金積立: コツコツ貯めたい人向け。少額から始められます。

金ETF(1321やGLDMなど): 株式と同じように売買でき、手数料も安いため、FIRE志望者には最も効率的です。

金鉱株: 金の採掘会社への投資。金価格以上に激しく動くため、少しスパイスを効かせたい上級者向けです。

まとめ:金は「攻め」ではなく「盾」として持つ

FIREへの道のりは長距離マラソンです。

晴天の日(強気相場)もあれば、嵐の日(暴落)もあります。

ゴールドは、嵐の中でリタイアを断念せざるを得なくなる事態を防ぐ「最強の盾」になります。

しかし、盾が重すぎて前に進めなくなっては本末転倒です。

「配当を生まない」という性質を理解した上で、ポートフォリオの片隅にそっと忍ばせておく。そんな余裕こそが、真のFIREへの近道かもしれませんね。

 

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