AI時代、働き方改革、人材難の時代でも会計事務所の必要性を感じて、使命をもって取り組まなければならないと思っています。そこで、今後の会計事務所の仕組み、税理士の働き方について考えてみました。
クライアントと税理士とスタッフの相関図
僕の思う従来、現在の会計事務所とこれからの会計事務所の枠組みについての図です。
クライアント、税理士、スタッフという3者の関係性からまとめてみました。
従来型の会計事務所の枠組み
大量受注-大量処理、手続き・処理代行型事務所のイメージです。
あくまでもスタッフ中心で記帳代行や月次監査などのスタッフが仕事の中心です。
クライアントとなる中小企業も多くて、とにかく所長先生が仕事をとってきてスタッフに作業をさせるタイプの業務フローになります。
事務所の中心プレイヤーはスタッフになり、必要な支援やチェックを所長先生が行うという形が多いと思います。
画一的で標準的な作業を進めるための事務所体制といえます。
これからの会計事務所の枠組み
高付加価値、専門サービス型事務所のイメージです。
クライアントとの第一線の接点は資格者となり、ヒアリングから現状分析、問題解決などの実務を税理士が行うイメージです。
スタッフはそのサポートであったり、間接部門の業務を行います。
感覚として弁護士事務所などの法律専門職のような感じで、今までの会計事務所の業務がスタッフの上前をはねるような仕事だったのが特殊であった気がします。
そんな美味しい時代はもう来ないって感じですね。
事務所の中心プレイヤーは税理士などの資格者となり、その補助やサポートなどをスタッフが行う体制です。
必要に応じて外注やAIなどを使って効率化するため、規模は問わずに税理士1名でも中堅規模でも業務品質は変わらずにサービスを提供できます。
逆に税理士の能力やスキルによっては、少数精鋭化した事務所がクライアントから選ばれることも考えられます。
変化の先頭を行くか、後ろを追従するのか?
この図のような変化は、スピードはわかりませんが、業界的にある程度は確実に訪れる変化です。
変わらないのがいいのか、徐々に変化すればいいのか、変化の先を読んで動くのかで結果が変わってきます。
もちろん、大量処理型の事務所も残ってくると思いますが、この分野では勝ち組と負け組がはっきり分かれてくると思います。
大量処理型の業務スタイルを続けるには、広告費を大きくかけて、人をたくさん採用し、薄利多売で勝負する必要があります。
人口減少時代に多くの会計事務所はそういう戦略はとらないと予想されます。
まずは意識改革が大事
基本的にはメインプレイヤーと支援者の立場が入れ替わるので、この二つの方式を使い分けられないスタッフや税理士は業界の変化についてこれないと思います。
今後主流になるのは2つ目の高付加価値モデルの枠組みなので、現状のスタッフや税理士の意識ではどうしても意識変革が必要な気がします。
会計事務所というのはスタッフに月次の担当先を10件、20件と割り当てるのが通常ですが、既得権益化すると担当を割り振られて税理士の支援やらチェックをしてもらって毎月同じような作業をするレベルどまりというのが一般的です。
割り当てられた担当先を前年と同じように処理するという仕事のやり方で今後残れるのかどうか?というがまずスタッフレベルでどう対応するのかという危機です。
担当先の仕事だけやっていれば安泰・・・というムードを感じてしまいますが、これは大量受注大量処理の低付加価値モデルの事務所でしか通用しない時代になっていきます。
会計事務所スタッフ不要論とは?
税理士や会計事務所の今後の業務として問題解決に注力すると、スタッフの雇用も税理士からクライアントへのアウトプットの付加価値をあげるために必要な、AIや外注との「選択肢の一つ」でしかなくなります。
つまり、必ずしも内製化すべきものでもないという意識で取り組まないと、逆に全員解雇せざるを得ない時代(作業だけならAIや外注のほうが将来は効率的になる)になる気がします。
今まではスタッフにとってのお客さんはクライアントでしたが、1次的には税理士であるというように切り替えて、1次請負の税理士が仕事をしやすいようなサポートは何かということから取り組まないと将来的にスタッフは残せないと思います。
我々がやっている資産税のイメージからではありますが、自分の中では、税理士として求められるスキルのイメージとスタッフに求めるものがある程度切り替わってきているので、スタッフたちは本当に必要なの?・・・という感覚しかないです。
確定申告の業務は衰退期という認識を持つ
確定申告などで大量生産のイメージで作業の期限を決めて全体で取り組むのはいいと思いますが、バリバリ従来型の期限決めて一斉処理するぞっ!ていうイメージが付きすぎると今後は大丈夫かなという気がします。
一方で、確定申告も上のイメージの業務ですが、これからは大量処理の時代ではないが、キャッシュを生みだすために仕方なくやっているという理解でやる必要があるように思います。
確定申告の仕事が永遠に続くと思っている人はいないと思いますが・・・上の図のイメージを今後も本業として捉えると変化への対応が遅れがちになります。
確定申告の業務もとっくに成熟期を過ぎているので、ここで生んだキャッシュを次の時代の業務に投資することまで本当はきちんと考えるべきなのでしょう。
特に繁忙期のためにスタッフを抱えてまでやるべき仕事なのかどうか、思考停止にならずにちゃんと考えましょう。
これからの税理士に必要なスキルとは?
税理士事務所、会計事務所の所長先生にもいろいろなタイプがあり、多くは学究肌のタイプ、経営者タイプ、事務職タイプなどがあると思います。
特に大量処理モデルの場合にはスタッフのマネジメントと集客のうまさが事務所を成長させるノウハウだったと思います。
これに対してこれからの税理士に必要なスキルはコンサルティング能力と思います。
- 顧客に面談してヒアリング、傾聴するスキル
- 現状を分析し、仮説を立て、問題解決方法を検討するスキル
- 検討した内容をまとめ、報告するプレゼンテーションスキル
作業を大量にこなることではなく、付加価値の高い仕事で高額報酬をもらうのが目標ですから、こういったスキルが求められる時代になっていくのではないかと思います。
まだまだ、新しいことにチャレンジして、業界を変革できる時期だと思うので、わくわくドキドキ・・楽しみながら成長していきましょう!