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ビジネスマネジャー検定攻略ゼミその3-ヒューマンエラー対策

ビジネスマネジャー検定で社長や後継者の経営力をアップする企画の第3弾。

今回はヒューマンエラー対策についてとなります。

 

 

ヒューマンエラーは仕事の効率を妨げる原因にもなる

ヒューマンエラー、つまり人為的ミスとは、人的要因によるミスのことを言います。

製造業的な発想になってしまいますがサービス業などあらゆる業種であてはまります。

ヒューマンエラーは会社に多額の損害をもたらす可能性もありますが、そうはならないまでも仕事の効率や品質をさげることにもつながります。

そんなリスクに対応するためにヒューマンエラーを防止しないといけないのですが、そのミスの生じる傾向としてビジネスマネジャー検定では次の6つがあげられています。

どの会社にも当てはまりますが、これって税理士法人や会計事務所でもよく見られる光景ですよね。自戒をこめて気をつけないと。

  1. 業務内容が正確に伝わらなかったことによる理解不足や誤解
  2. 業務作業自体の失敗
  3. 業務の慣れから生じた先入観による判断ミス
  4. 複数業務を同時並行で作業することによる混乱
  5. 共同作業における他人への依存による手抜き
  6. 過重労働の疲労による作業ミス

業務内容が正確に伝わらなかったことによる理解不足や誤解

業務内容が正確に伝わらなかったことによる理解不足や誤解については、まずは指示の出し方に問題がありそうな気がします。

上司と部下が同じ知識や能力があるとも限りません。逆に同じ用語を使っていても全く違う認識である可能性のほうが高いといえます。

特に部下が外国人の場合にはなおさらですよね。

そんなときにはレベル感を思いっきり下げて、子供でもわかるような図表や写真などの視覚に訴えることも大切です。

業務作業自体の失敗

作業工程で生じるミスや失敗は仕事をする以上はつきものです。

これは精神論ではどうにもならない話で、部下を叱りつけたり、気をつけましょう・・・で片づけるのはどうかな?と思います。

こんなミスや失敗を防止するのはどうればいいのか?というのもビジネスマネジャー検定で学びます。

ベテランスタッフであれば思い出すことも多いでしょう。

新入社員や事務に不慣れなスタッフは是非こういったことに気をつけてください。

  • 間違えやすい数字やアルファベットなどを使わない
  • 作業のし忘れを防止するために、適時メモを取る
  • 既決と未決など箱で管理する場合には色違いのボックスを使うなど視覚を用いた分類をする
  • 作業工程を色分けして作業状況をわかりやすく分類する
  • 作業工程に沿って、資材の配置や場所を整理する
  • 証明を適正な照度に調整して作業環境を整える
  • 安全点検は複数人で行い、声を出して行う
  • 騒音対策が必要な場合、ノイズキャンセルやヘッドホンの着用を義務付ける

どうでしょうか?ヒヤリハットなどといわれますが、ハインリッヒの法則を意識してミスを防止するのも大切です。

また、トヨタなどで4Sや5Sなどと言われてきたように「整理・整頓・清掃・清潔」+「躾」というのも重要です。

片付けることって仕事の基本ですよね。 

まんがでわかる トヨタの片づけ

まんがでわかる トヨタの片づけ

 

業務の慣れから生じた先入観による判断ミス

慣性の法則というのがありますが、仕事でもうっかりするとマンネリ化してついつい楽をしてしまいがちです。馴化というらしいですが、慣れというのは本当に怖い症状です。

不慣れが原因ではなく、慣れが原因なのです。

例えば思い込みによる判断ミスです。

こういった慣れから生じた思い込みを防止するためには、「業務の見える化」や、「日報等の業務記録」、「チェックリストや作業点検シート」を活用して、作業や点検を省略しない仕組み必要となります。

複数業務を同時並行で作業することによる混乱

最近、多動力という言葉もでてきていますが、そうはいっても普通の人間にとっては業務を同時進行で行うとミスに繋がります。

基本的には優先順位をつけて、一つ一つ終了させてから次の作業に取り組むことが重要です。

税理士の仕事も確定申告時期などはどうしても同時進行で数件の確定申告を掛け持ちしつつ作業することがあります。

どうしても同時進行が必要な場合には案件ごとに書類をクリアファイルにいれるなどの工夫で混同しないように作業環境を整える必要があります。 

 

マンガで身につく 多動力 (NewsPicks Comic)

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共同作業における他人への依存による手抜き

共同責任は無責任という言葉もありますが、我々税理士の仕事でも基本的に複数人で一つの案件を担当する場合には要注意となります。

誰が主担当なのか、どんな役割分担で作業をするのか、などをあらかじめ決めておかないと知らず知らずにそれぞれが手を抜いてしまいます。

相手に任せておいたつもりで、野球でいうとお見合い状態になりかねません。

二人で作業を行う場合には「1+1=2以上」の結果を出さないといけませんが、実際には一人当たりの作業量が人数の増加に伴って低下する現象がおこります。

この現象は「リンゲルマン効果」や「フリーライダー現象」ともいわれています。

共同作業の場合の基本的な考え方は、お互いに援助の手を伸ばせる仕事の姿勢で、これを「リーチングアウト」といいます。

自分の仕事だけではなく、常に周りの人の仕事に関心をもって、いつでも協力できる姿勢をもつことが大切ということです。

過重労働の疲労による作業ミス

仕事の疲労や寝不足、過度のストレス、プライベートでの問題など仕事に影響を与える要素は数多いと思います。

ブラック企業ではなくとも定時で帰れる職場は多くはないですが、ワークライフバランスにも個人個人で気をつけて取り組む必要があります。

もちろん、会社としてチームでワークライフバランスを達成できる環境も必要でしょう。

ヒューマンエラーは環境と仕組みで防止する!

結論として、ヒューマンエラーは「環境」や「仕組み」で防止できるという話になると思います。

そしてこれらの環境や仕組みを整えるのは、小さな会社であれば経営者であり、中堅企業などであれば現場の管理職、ビジネスマネージャーとなるでしょう。

ミスした人を叱ったり、怒るだけでは経営者失格です。

ミスが生じた本質的な原因を考え抜き、「なぜそのようなミスが起こったのか」、「再発を防止するにはどうするのか」、チームとして防止策に取り組むことが重要ということです。

もちろん起こったミスだけではなく、起こりうるミスやまだ生じていない問題についても想像してその対策を練りましょう。

 

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