親は無くとも子は育つ?
人材の育成というのはなかなか難しい論点です。
そういえば育成されたことがあったっけ??という記憶を掘り起こしましたが、あまりない・・・親は無くとも子は育つってやつですか?
結果的に自分で調べたり、資格の勉強して知識を習得したり、試行錯誤しながらやってきましたが、そもそも税理士事務所や会計事務所ってそんな仕組みをもっていないと思います。
自分で勉強したり、切磋琢磨したり、自ら工夫して社会人として専門家で成長するのは結構難しくて、士業の業界って社会ふて・・・・いやいやあえて何も言うまい。
そのためにもこのビジネスマネジャー検定を士業や会計事務所の所長先生、中堅スタッフの管理能力向上に役立てて欲しいと願っています。
そして、この業界で働く人たち、これからこの業界に入ってくる人たちが、スタートで躓いたり、成長できない自分に悩んだり苦労しなくていいように育って欲しいと思います。
人材育成の基本はティーチングとコーチング
ティーチングとコーチングはよく比較される手法ですが、びじビジネスマネジャー検定でも人材育成の基本の考え方はティーチングとコーチングの種類とされています。
やはりこの二つを比較することになるのですが、どちらかというとコーチング寄りです。
コーチングは個人的にも気になるスキルなので、とりあえず新書の棚からばばっと数冊購入してみました。
kindleでも読んでいて、やはりおすすめはマンガで読むパターンです。
あとはちょっとかさばりますが、この辺が定番の本でしょうか?
これらの本も一応読んでは見ましたが・・・
- 作者: マーシャルゴールドスミス,マークライター,Marshall Goldsmith,Mark Reiter,斎藤聖美
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2007/10/01
- メディア: 単行本
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コーチング・バイブル―本質的な変化を呼び起こすコミュニケーション (BEST SOLUTION)
- 作者: ヘンリーキムジーハウス,フィルサンダール,キャレンキムジーハウス,Henry Kimsey‐House,Phillip Sandahl,Karen Kimsey‐House,CTIジャパン
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2012/06/01
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コーチング・マネジメント―人と組織のハイパフォーマンスをつくる
- 作者: 伊藤守
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
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コーチングとは?
コーチングとは、ビジネスマネジャー検定の定義では、部下の個性を尊重して、持てる力を引き出し、自律性を高めることとされています。
問題解決のための答えは全て本人が持っているから、引き出してあげることがコーチの役割というような考え方です。
性善説的、人間尊重的な発想です。
ティーチングとは?
比較されるティーチングとは、知識や技能を教えることで、学校の授業などが典型例とされます。
基礎知識がない場合や経験のない新規の情報を効率よく習得させる場合に有効です。
規律型の部下育成や集団に対する画一的な知識習得に特に有効といわれています。
どちらが優れているというわけではない
これら2つの方法はどちらが優れているというわけではなくて、部下の知識や技量、ケースバイケースで状況になどに応じてコーチングとティーチングを適切に使い分ける必要があります。
業界未経験の新入社員、社会人1年生に自律的に学ぶように期待しても仕方ないわけですから、ティーチングからスタートして徐々にコーチングに移行するような形が求められるわけです。
コーチングのスキル
コーチングのスキルは、個性を尊重して自律性を促すということですから、傾聴のスキルと質問のスキルが重要となります。
心理学やNLPなどの知識やスキルもあったほうがいいのかもしれませんね。
傾聴のスキルとは?
聴く力って意外に難しいノウハウです。
僕はどちらかというと無口な部類ですが、それでも自分の意見をついつい口に出したくなったり、話を遮ったりしがちです。
おしゃべりな人がコミュニケーション能力があると思いがちですが実は逆です。
傾向のスキルは相手の話を途中で遮ったり、否定したり、自分の意見やアドバイスなども差しはさまずに、最後まで聴ききることなのです。
そしてうなづいたり、相槌をうったり・・・これもスキルの一つです。
またまたマンガですが、こういう本も読んでみました。
質問のスキルとは?
質問についてはいわゆるオープン型の質問が有効とされています。
はいorいいえで答えられるような質問ではなく、自らどんな方法があるのかを考えて答えさせるような質問です。
また、チャンキングというような質問テクニックもあります。
具体的な状況の説明などをうながすときには細かく掘り下げるためのチャンクダウン、反対に細部ばかりをみて全体像の把握ができていない場合には抽象化させるようなチャンクアップの質問となります。
特に重要なのが否定するのではなく承認や肯定をするということでしょうか。
褒めるというのも難しいスキルですが、単にやみくもに褒めるのではなく、行動が改善されたり、進化されたときに褒めるといったように行動や具体的な事実に着目して褒めるようにしたほうがよさそうです。
人材育成の手順
コーチングによる人材育成が基本となりますし、XY理論でいうY理論をベースにした育成ですから、人間が本来的にもつ自ら伸びる力を最大限に引き出すための支援や障害を取り除いてあげるなどの環境づくりも必要です。
そして、何よりも必要なのは「育てようとする意識」です。
スキルではなくてあくまでも育てようという愛情や意思ということになります。
育成の環境づくり
育成というとダビスタやウイニングポストを思い出してしまいますが、育成のための環境づくりには次の3つの方法があります。
- 業務の習熟度に応じてステップアップ
- チーム内の担当替えによる業務能力の向上
- 仕事の習熟度などタイミングを意識した他部門への異動
指導する際の留意点とは?
教えることは学ぶこと・・なんていいますが、うまく教えられない問題は教える側と教わる側のどちらにあるのか、というと大部分は教える側にあるように思います。
教えながら自ら学ぶ意識も大事ですが、そもそも教える側に教えるスキルがあるのかどうかが問われます。
行動科学の石田淳さんの著書では教える側の教える技術の問題点を指摘しています。
指導する際の留意点としてビジネスマネジャー検定では次の4つをあげています。
- 細かいことまでこだわりすぎない
- 同じ仕事ばかりを与えていると部下は成長できない
- 部下を放置するのではなく、適時適切なアドバイスや注意をする
- 動機づけをしないと部下は意欲を失う
部下が自主的に考えて行動できるように支援
コーチングが育成のベースですから自主的に行動することを支援するのがマネジャーの役割です。
そのためにまずは部下の主体性を確保するために次の2つの点に留意が必要です。
- 自己管理意識を高めるように部下が自ら目標を設定するように促す
- 部下が自らの仕事の成果を把握できるように見える化をする
そして、部下が自ら仕事をやりとげることによって主体性が生まれ、達成感をえて、成長を実感できるようになります。
この部下の目標達成をともに喜ぶという共通体験によって承認欲求が満たされ、仲間意識や信頼感が高まることにつながります。
悪いマネジャーの例をして部下に嫉妬する上司というのがあります。
こういった悪いマネジャーではなく、部下の成長を自分の糧にしてともに喜ぶというのがよいリーダー、よいマネジャー像といえます。
人材育成のための3つの教育手法
よく言われることですが、人材教育の方法として3つあげられます。
これは、自己啓発・OFF-JT・OJTの3つですよね。
- 自己啓発というのは業務時間外に部下が自主的に行う教育投資です。あくまでも部下の自発的な能力開発のため、会社としては資格手当などの資金補助による援助で推進することになります。
- OFF-JTは共通のニーズをもつ従業員への教育訓練で、人事部や教育部門が主導で実施されます。集合教育等により、社内外の専門家などによる広い知識、専門的な知識・スキルの習得が期待できます。
- OJTは、企業内で上司や先輩が部下、後輩に対して行う個別指導、個別の教育です。日常業務は全てある意味では常に教育ともいえます。
このうち一般的に一番多く取り入れているのがOJTだとおもいます。
OJTのメリット、デメリットは下記の通りですが、マネジャー自身が自ら模範となることが大切です。
失敗を含めた仕事ぶりを見せることで具体的な業務の進め方を学習させ、特に失敗からのリカバリーが重要であることを学習することが大事です。
失敗を叱るだけで、失敗から何を学ぶのか、失敗やミスのときの対応ほどお客様はよく見ているので、うまくリカバリーができれば信頼関係がまして人間関係が良好になるけど、逆のときは最悪、ということもあります。
OJTのメリット
メリットとしては個人別にきめ細かく指導ができ、実務的かつ実践的な指導が可能で、なおかつ経済的です。
マニュアル化しにくい業務のコツなどは部下に個別に騒動ができるとともに、部下の仕事への姿勢や業務遂行能力、性格などの把握もできます。
さらに職場が活性化するといった副次的な効果も期待できます。
OJTのデメリット
一方のデメリットとしては、教える側の能力、まさに教える技術によって効果が限定的になることもあります。
また、指導者の時間的な拘束や負担が大きいこと、価値観や内容が一律で教育内容に多様性がないこと、理論的で体系的な指導には不向きです。
仕事の大半は心理学を学ぶことで解決できる
今日の結論は、仕事の大半はコミュニケーションでできていて、特に人材育成ではコーチングを含めてコミュニケーションの重要性が高いということです。
そして、このコミュニケーションやコーチングについては実は心理学の分野の研究成果を応用したものであるということです。
そのため心理学を学ぶことで仕事の大半は解決ができる、と僕は思います。
共感、傾聴、信頼・・・これらをきちんと身に着けたいのであれば、実践だけでは難しいと思います。
心理学を知識をベースにしながら、カウンセリングやコーチングのスキルアップを図ることが求められます。
知識と実践とどちらが大事なのか?という話がありますが、教える技術というのはあくまでも理論と実践です。
理論なくして実践しても成果があがりにくいとおもいますし、自己流の教え方では教わるほうが不幸ではないでしょうか?
まずは理論を抑えてから実践する、というのが大事とおもいます。