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プライベートバンカー・ウエルスマネジメント・ファミリーオフィス・エステートプランニング・資産税の専門家を目指す税理士のブログ-TaxAccounting&Financial Planning

大胆予想!平成31年度税制改正で暦年課税方式の贈与税が廃止されるのか?

内閣府の税制調査会の資料がアップされていますが、資産税の世界では相続税と贈与税の一体課税というところが議論されているようです。

税制調査会 2018年度 : 税制調査会 - 内閣府

増税したいのか?若年層への資産移転が目的なのか?

老老相続ということが問題視されています。

100歳の方が亡くなって70代の方が相続されるケースなどがあっても若年層への資産移転がされないということは確かに問題なように思います。

基本的には官僚が考えることは建前と税金を取る側の思惑が異なることが多いのですが、これも増税したいのか若年層に資産を移転するのか本音のところはどうなんだろうと思います。

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暦年課税よりも相続時精算課税への移行を目指しているのか?

ただ、資料を眺めてみると諸外国と並べても累積課税のほうが望ましい的な発想がみえてきます。

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暦年課税で贈与する都度課税するのではなく、贈与時点ではなるべく課税をせずに相続時精算課税のほうが望ましい資産移転だという論調のようです。

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確かに贈与税が高額だから贈与について消極的に働いて、資産の移転が相続時にまとまって次世代に動いてしまうという話です。

まあ、なんとなく一理あるよな・・とも思ってしまいますが。

一方で、贈与税がなくなって相続時精算課税で1本化されれば税制のせいで家族内の資産移転が遅れてしまうという問題が解決するという話です。

これはこれでやっぱり一理あるよな・・とも思ってしまいます。

でも、本当にそんなにうまくいくのか?ということは微妙に感じます。

資料ではおそらく財務省の思惑は暦年課税よりも累積課税にベクトルがいっている感じにみえます。

遺産取得者課税方式が民主党政権時に一度決まってから、自民党に政権が戻ってこの税制改正は反故にされています。

遺産取得者課税方式の話のときは確か累積課税に近い話がでていたような気がします。

遺産をもらった人単位で相続税を課税するし、生前贈与もそれぞれ持ち戻しますという制度になる予定でしたよね。

今でも財務省はやはり暦年課税で渡切りではなく、累積課税で相続税と贈与税の一体課税は実施したいという思惑が見え隠れしています。

制度的にも今までは住所が変わると追跡が難しかったようですが、マイナンバー制度が整えば暦年課税の情報を国税庁で一括管理することも可能になるのでしょう。

平成31年度税制改正では盛り込まれないかもしれませんが、数年のうちに改正項目にあがってくる可能性大ですね。

そして、相続時精算課税との整合性から分離課税譲渡所得の損益通算が制限されたように、駆け込み贈与を防ぐために抜き打ち的に遡及立法ということありえます。

うん、やりかねない!

中立的な税制へ・・・という建前

「税制のせいで意思決定がゆがむのはよくない、より中立的な税制へ」というのが官僚の決まり文句というか殺し文句で、税金とりたいだけでしょ?と思わなくもない。

結局は暦年課税というのは租税回避で使われないように高税率にしているという話ですから相続税そのものをなくせば全部解決?ということもありえます。

生前贈与を相続時に精算する相続時一体課税や累積課税ですべて解決するわけではないようには思います。

110万円の非課税枠があるし、税率が高い方は310万円までの贈与は税率が安いという現実があるから富裕層は少しずつでも贈与をするということもあります。

「節税になるよ」という言葉にお年寄りは弱いのです。

「贈与しても死ぬまで持ち続けても税金変わらないよ」ってことになると資産家の皆さんは逆に贈与しないという話なんじゃないかな?

資産家ではなくもう少し財産規模の小さな一般の家庭でも資産移転について進まないのは税制の話ばかりではなく、老後の生活不安もあるからじゃないの?というようにも思いますよね。

相続対策などでお話を伺うとやはり年配の方たちは自分名義でしっかり資産を持っていたいというのが心理的にあるように思います。

まあ、それはそれで税制がゆがめているわけではなく、人間心理に基づく結果であれば租税法的には問題がなくなる、ということなのかもしれません。

本当の税の中立性とは何か?

租税法理論では税の中立性という概念があります。

経済活動や生活の意思決定に税を持ち込まないような形が望ましいという基本理念です。

言いたいことはわかるけど、中立って本当のところはどうなのっていつも思ってしまいます。

タックスプランニングという言葉あるように、税金を考えない資金計画はないし、完全に経済活動に中立ということはあり得ないし、無理だと思います。

租税回避の意志がない節税がないのと同じことかもしれません。

中立なのか、経済活動をゆがめているのかなんて線が引けない話だし、なかなか難しいよねっいう感じです。

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