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本当は怖い医療法人の活用

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最近、医療法人は本当に節税メリットがあるのかと自問自答することが多いです。

当社は医療、介護のお客様も多く、平成ヒト桁の頃に医療法人の設立をお手伝いしたお客様がそろそろ事業承継の時期を迎えています。

シンプルな質問ですが、

法人成りするメリットは何でしょう?

代表的な節税メリットとして、法人と個人の税率差の利用、そして給与所得控除額の活用があります。

このうち給与所得控除額については税制改正で1000万円が上限となってしまいました。

かつては1000万円を超えても上限なく最低5%の概算経費が認められていました。

一方で、税率差の利用というのは確かに法人税の税率が減少傾向にあります。
アベノミクスで実効税率が20%台まで見込んでいるといわれています。

個人であれば最高55%以上の税率を負担しなければならないのですから、診療所で数千万の所得があるのであれば大幅な節税になるはずです。

ただし、社会保険料の負担などはあがることが多いようです。

それでも、こうやってみると医療法人にするメリットは確かにかなりありそうです。

でも、医療法人って最後はどうするのでしょう…

これもシンプルな疑問です。

後継者がいれば、事業承継となります。

持ち分あり医療法人であれば出資持ち分を贈与や相続して後継者に引継ぎます。

後継者がいなければ、M&Aなどもできるかもしれませんが、一般的には廃業、解散となります。

解散の場合には残った財産を出資者に戻していきます。

このようなとき、全く税金はかからないでしょうか…?
そうではありませんよね、いろいろかかります。

出資持ち分の贈与や相続であれば相続税相続税の対象となります。

解散の場合に残余財産を分配すると配当所得で所得税が総合課税されます。

普通は退職金を支給して身軽にしてから引継や解散をしますから、退職金について所得税や住民税がかかります。

持ち分なし医療法人の場合であっても、いつかどこかで個人に資金を戻すのであれば、そこで課税です。

そこでの一番の悩みどころは「退職」の時期と退職金の額ということになります。

「退職」という仕掛けをうまく使って、医療法人・院長・後継者・後継者以外の親族の財産の構成をプランニングすることが要求されます。

個人の開業医の先生であれば、基本的にはキャッシュでお持ちのはずですからこれほど頭を悩ませることはありません。

キャッシュリッチが一番の対策です。

下手に医療法人に財産を残して理事長が亡くなってしまうと、後継者と後継者以外の親族でのお家騒動にもなりかねません。

医療法人に資金が潤沢で、理事長個人が納税や分割資金をもっていない可能性もあります。

医療法人の出資を払い戻せ、退職金を渡せ!という親族もでてくるでしょう。
こうなっては節税どころではありませんよね。

こういう時こそ我々専門家の腕の見せ所、かもしれませんが結構気が重いです。
それよりは事前の準備や対策をしっかりやるべきでしょうね。

法人活用はリスクもあるということ、出口戦略を考えながら運営が必要だと最近感じています。

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