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投資と資産形成の税金-超過累進税率と比例税率の違いを知ろう!

案内人のカエル税理士です。梅雨真っただ中ですが、いかがお過ごしでしょうか?

投資や資産形成で節税をする上では主に課税総所得金額に適用される超過累進税率と、その他の分離課税の所得で適用される比例税率の違いを理解しないといけません。

今回は超過累進税率と比例税率の違いについて解説していきます。

総合課税と分離課税

総合課税とは?

総合課税は、事業所得や不動産所得などを合算して総所得金額を計算し、これに超過累進税率を適用して税額計算を行います。

分離課税とは?

分離課税は、その名の通り他の所得と分離して課税されるものです。

比例税率となる分離課税のうち代表的なものは不動産の譲渡益です。譲渡所得税ということもあります。

所得税のうち分離して計算されるものですが、実際は確定申告書に一緒に記載して計算します。第3表という申告書が1枚追加されます。

山林所得や退職所得は分離課税ですが比例税率ではなく超過累進税率ですが、長期の不動産の譲渡所得や株式の譲渡所得などは15%の税率で一律に計算されます。一律の税率なので比例税率とよばれる方式です。

給与などの他の所得が高い人も他の所得に影響されずに分離課税される所得ごとに別々に税額計算をしていきます。

超過累進税率の計算方法

超過累進税率は超過累進ですから所得が高くなるにつれて階段上に適用される税率があがる性質があります。一般的には速算表で計算し、税率は最低5%から最高で45%となっています。

例えば課税総所得金額が650万円のケースですが、階段ごとに別々に計算をして、合計をするやり方をとります。

195万円までは5%ですから税額は97,500円、195万円から330万円までは10%でこの階段は135,000円、330万円から650万円までの階段は20%で64万円となり、全部を合計すると872,500円となります。

単純に平均すると13.42%の税率となりますから、比例税率15%よりも納税額は少なくなります。課税総所得金額650万円ならどうやら15%の比例税率よりも総合課税のほうが有利なようです。

所得控除額が10万円増えた場合の節税額は?

それではここで10万円分の所得控除が加わるとどうなるのか、いうことですが、所得税はいくら節税になるでしょうか?

超過累進税率の場合は20%の階段部分が10万円へりますから所得税の節税額は2万円となります。比例税率ですと1.5万円の節税額です。平均税率の13.42%というのは節税を考えるうえでは全く関係のない数字です。

階段ごとにきちんと考えないと正しい節税額のシミュレーションはできません。

総合課税と分離課税15%比例税率の有利不利判定

次に所得が800万円の場合の有利不利について考えてみます。

695万円で階段を1段あがりますが、税率はそれほど変わりなくて23%になります。この場合は計算すると120万円をちょっと超えますので、比例税率よりも不利になります。

どうやら課税総所得金額800万円が総合課税で超過累進税率のケースと分離課税で比例税率のケースでの有利不利の分岐点になりそうです。

総合課税と分離課税で有利選択ができるものに上場株式の配当金があります。

上場株式の配当金を総合課税と分離課税のどちらで申告するかどうかを考える場合にこの考え方が使えますね。

 

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超過累進税率が適用される税金の節税のポイント

相続税も同様ですが超過累進税率の場合の節税は、この階段ごとにいくら減るかという視点が重要になります。

上記の650万円のケースでは、平均の13.42%ではなく、20%の階段部分が節税の効果になるという考え方が大事です。

超過累進の税率で節税を考えるうえで大事なのは、給料いくらに対して単純平均でいくら税金を払ったではなく、そこから上乗せされる収入や所得に対して階段的に何%で課税されるかどうかとなります。

逆に所得控除などで減った所得に対して何%の減税になるのかどうかです。

平均で何%の税率になっているかどうかだけでなく、階段ごとの税率の意識をもつことが所得税や相続税の節税につながります。

先ほどの10万円の所得控除の話ですが、課税総所得金額が650万円の人の所得税の節税額は2万円で、課税総所得金額800万円の人の所得税の節税額は2.3万円となります。

キーワードは「分散」

税率が高い人の節税を考える場合には、一つは所得控除をうまく使うことの効果が高いのですが、もう一つ、「分散」がキーワードになります。

税率が高いところの所得を家族やマイクロ法人に分散したり、1年にまとめずに数年に分散して受け取ることで節税をするという対策が可能です。

家族に分散ということであれば、ご主人が一人で高所得を稼いで、奥さんが専業主婦という家庭よりも、世帯収入が同じであれば夫婦共働きのほうが手取り収入は当然大きくなります。

個人事業主であれば青色専従者給与を家族に支払うことも有効です。数年の分散ということであれば、例えば一時所得になる生命保険の満期の時期を65歳とかのある年に集中させずに、65歳66歳の2年にわけることなども有効かもしれません。

今回のまとめ

このように、超過累進税率が適用される所得税、相続税の節税のコツは次の2つです。

  1. 適用される税率の階段ごとに節税の影響を計算すること
  2. 税率が高い人ほど家族や法人に分散したり、時間差で分散すれば効果が大きい

節税のコツは税金のリテラシーをあげることです。

答えを丸暗記したり、誰かの話をうのみにするのではなく、仕組みを理解して節税を図りましょう!

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