税制改正大綱では、相続税の基礎控除及び税率構造の見直しが行われることとされています。
現行の相続税の基礎控除は、「5,000万円+1,000万円に法定相続人の数」です。
これが、改正案では「3,000万円+600万円に法定相続人の数」とされました。
これによって基礎控除は現行の6割の金額となります。
また、税率構造も変わります。
1億円以下の部分の税率は現行と変わりませんが、1億円以上の金額について次のように増税となります。
・1億円超~2億円以下の金額…40%
・2億円超~3億円以下の金額…45%
・3億円超~6億円以下の金額…50%
・6億円超~ …55%
※この改正は、平成27年1月1日以後に相続または遺贈により取得する財産にかかる相続税について適用されます。
一方で相続時精算課税以外の贈与の贈与税についても税率構造の見直しが予定されています。
贈与税の改正については20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けたケースと、それ以外のケースで異なることになります。
20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けたケース以外では1,000万円以下の金額の贈与では現行と同様ですが、1,000万円を超える部分について下記のような改正がされます。
・1,000万円超~1,500万円…45%
・1,500万円超~3,000万円…50%
・3,000万円超~ …55%
20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けたケースでは、税率構造が上記の一般ケースと比べて軽減されます。
・ ~200万円以下…10%
・200万円超 ~600万円 …20%
・600万円超 ~1,000万円…30%
・1,000万円超~1,500万円…40%
・1,500万円超~3,000万円…45%
・3,000万円超~4,500万円…50%
・4,500万円超~ …55%
相続時精算課税では適用要件で次の見直しが行われています。
・受贈者の範囲に20歳以上である孫(現行推定相続人のみ)が追加されます。
・贈与者の年齢要件が現行の65歳以上から、60歳以上に引き下げられます。
※この改正は、平成27年1月1日以後に贈与により取得する財産にかかる相続税について適用されます。