カエル税理士の資産税研究ノート

横浜の相続税と事業承継に強い税理士法人、行政書士法人で働く税理士、行政書士、CFP、プライベートバンカーのブログ

相続税の基礎控除が下がったら相続時精算課税を再チェック

相続時精算課税という制度があります。

生前贈与ということで暦年贈与とこんがらがっている人もいますが、全く異なる制度です。

相続時精算ですから、相続が発生した段階で精算される課税方式です。


すなわち、贈与した段階では2500万円までは贈与税は0、超えた額は20%の均等税率による課税がされ、相続のときはその贈与額をそのまま相続財産にプラスして課税し、支払った贈与税についてはその段階で税額控除するという仕組みになっています。


この制度と、相続税の基礎控除の引き下げとどのような関係があるのでしょうか?


以前この制度が世にでたときには、「相続税がでないのなら早めに贈与しましょう」というのが触れ込みだったわけです。


つまり相続税がでないことを前提に、この制度を利用した人がそれなりにいたのではないかと推測されるのです。


基礎控除が8,000万円で、財産が7000万円なら、孫の教育資金が必要だろうから早めに子供に1000万円を生前贈与しておこう…なんて考えていてもおかしくありません。


これが平成27年から基礎控除が6割になるわけですから基礎控除は4,800万円です。


相続財産は、7000万円-1000万円=6,000万円が残っていますが、あくまでも相続時精算課税ですから、相続税の課税対象は7,000万円のままです。


100万円ずつ10年に分けて贈与していれば贈与税0で、相続時の精算なしに贈与できたはずなのにブームに乗せられて相続時精算課税なんてやったばっかりに


なんて言ったところで何にもなりません。


信義の問題はありますが、そそのかしたマスコミも、税理士も、国税当局も別に悪くはありません。


相続時精算課税についてはきちんと税務署には記録が残っています。


もう10年も前だからばれないだろうなんて思わないことです。


もらった本人も忘れている場合や、他の兄弟が調べたい場合には相続発生後であれば税務署に照会(開示請求 )することもできます。


相続税がでないだろうから相続時精算課税を過去にやったという方、改正後はどのような試算になるのか一度確認したほうがいいかもしれません。


申告が必要となると書類の作成をしたり、税理士に依頼したりと何かと面倒なことが増えます。


できれば基礎控除以下で、小規模宅地の減額などの特例も使わないから相続税の申告が不要…という状況がベストですから、他のご家族に暦年課税で贈与等も検討すべきかもしれません。


一度相続時精算課税を採用した人への追加の贈与はあまり意味ないというのは言うまでもないですが

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