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投資と資産形成の税金-上場株式の配当金と住民税の取り扱い。有利な選択は令和4年で終了します!

案内人のカエル税理士です。暑かったり寒かったり、体調管理が難しいですね。

前回ご紹介した上場株式の譲渡損益、配当金の税金はかなり複雑な取り扱いでした。

これをさらに複雑にするのが住民税の取り扱いです。

今回は上場株式の譲渡損益と配当金の住民税の取り扱いについて解説していきます。

 

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上場株式の配当金を総合課税で申告するのは必ず不利

配当控除を受けるためには所得税は総合課税で確定申告をする必要があります。

所得税は超過累進税率なので所得税の税率によっては総合課税が有利になるのですが、住民税では分離課税5%に対して、10%の定率の比例税率なので、配当控除を適用しても必ず不利になるというのがありました。

住民税の計算に連動して、後期高齢者などの国民健康保険料や介護保険料、病院での窓口負担金にも影響がでるため、住民税を総合課税で申告するのは必ず不利に働きます。

平成29年税制改正で明確化された取り扱い

そこで、平成29年の税制改正で配当や譲渡益の取り扱いについて、所得税と住民税で異なる方式が選択できることが明確化されました。所得税は総合課税、住民税は源泉分離課税、結果的に国民健康保険料などに影響なしとするルートが確立されました。

令和3年分の確定申告書から書式で対応

さらに令和3年分の確定申告書から申告書の様式が変更されて、申告書の第2表で住民税での選択欄が加わっています。

令和4年度税制改正で廃止が決定

ただし、この所得税と住民税とで異なる方法を選択できる制度ですが、令和4年度の税制改正で廃止することが決まっています。

令和6年度(令和5年分の所得)からは統一してどちらかを選択することになってしまいました。令和6年度ですから所得税の課税年では令和5年からです。別々に選択できるのは次回の確定申告となる令和4年が最後になります。

逆に令和5年以降はどうすればいいのか、今から悩ましいところです。

総合課税で総合課税を選択する場合の事例(令和4年まで)

配当所得を総合課税で確定申告するケースについて事例をつくってみました。

給与所得が300万円で、年末調整で既に源泉所得税が精算されています。

そのほかに配当金が100万円あるという事例です。この場合に確定申告をするのと、申告不要とするのとどちらが有利かというケーススタディです。

配当所得が加わるために算出所得税は増えますが、配当控除が配当所得の金額の10%ありますので実際の配当控除後の税額はプラス2.2万円です。

一方で配当所得分の源泉徴収額15万円が精算できますので差額ですが、大部分が還付されることになります。

所得税は総合課税、住民税は源泉分離課税で申告不要を選択

令和4年までの取り扱いでは緑のルートが選択可能です。

所得税は総合課税で2.2万円、住民税は申告不要を選択すると5万円の特別徴収で完結、国民健康保険料にも影響ないので、合計7.2万円です。

この制度を使わないと、申告不要を選択した場合でも、総合課税を選択した場合でも、国民健康保険料の負担増を含めて20万円くらいの負担になるわけですから、こうやってみるとかなり有利な税制になっています。

それは改正されるよね、という感じでしょうか。

この制度が廃止されても国民健康保険料の影響がないサラリーマンなどは、税率によっては総合課税が有利かもしれません。現状では健康保険料などを考えなければ、課税総所得金額が900万円以下なら総合課税が有利ですが、廃止後は695万円以下なら有利ということ変わることになります。

まとめとして

令和4年までの確定申告では総所得金額が900万円以下のケースでは上場株式の配当金について、所得税は総合課税を選択し、住民税は分離課税として別々に選択することが有利になります。総合課税の税率が低い人ほど有利になります。

別々に選択ができるのは令和5年度の住民税まで、令和6年分からは統一してどちらかを選択することになります。住民税は年度の表記になるため、所得税の確定申告では1年分ずれることになります。

したがって、所得税では令和5年分の確定申告からは別々の選択ができません。所得税は住民税よりも先に申告をするため、所得税でどちらを選択するかによって住民税の課税方法が自動的に決まることになります。

最後の選択は令和4年の所得税(令和5年度の住民税)までとなりますので、ご注意ください。

 

 

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