自分が死ぬと先祖代々のお墓に入る…団塊の世代以上の方は兄弟も多くてなかなかそういったことは少なくなってきているようです。
もちろん長男以外であっても先祖代々のお墓に入ることは可能です。
しかし、一般的には直系の跡取りが先祖代々のお墓に入り、直系以外の子供は別にお墓を購入することになるようです。
ではお墓はいつ購入するのがいいのでしょう?
テレビや雑誌等の最近の終活関係の特集では、生前にお墓を準備するためのチェックポイントなどが紹介されています。
公営の霊園などでは手元にお骨があるのが応募の条件になっているケースもあり生前に購入するのは難しいケースも多いと思います。
一方、民間の霊園などではこのような制限はないため、生前に購入することも可能です。
お墓の購入といっても、霊園などの永代使用料と墓石などの費用があります。
神奈川県内では総額150万円から200万円くらいが平均的な相場となっているようです。
生前に準備するメリットは、自分で現地に足を運んで環境や設備などを見たうえで選択できることだと思います。
亡くなってからの準備では故人がどのような墓地や霊園を望んでいたかは想像が容易ではありません。
もちろん、亡くなった後でお墓を引き継ぐ親族の考えや意向も踏まえて選ぶ必要はあります。
それでは相続税対策として考えると、生前と亡くなった後のどちらに購入したほうがお得なのでしょうか…?
それは、生前に購入したほうが節税になります。
その理由は、お墓には相続税がかからないからです。
墓地や仏壇、仏具は相続税が非課税とされています。
つまり、どんなに高額な墓地であっても相続税は課税されません。
仏壇、仏具等については、純金であしらっていたりすると換金価値があるため課税対象になる可能性はありますので、限度はあると思います。
その結果、税効果を考えると相続税の限界税率が10%なら生前に買えば10%引き、限界税率が50%の方の場合には半額で購入できたのと同じ形になります。
ただし、気を付けないといけないことが一つあります。
それは、亡くなる直前に購入して分割払いにしているようなケースです。
この場合には相続税の計算上は債務控除することはできないことになっています。
つまり、お墓そのものは非課税ですが、お墓の購入費用などは葬儀費用としても控除できず、生前に購入したお墓の未払金は債務控除もすることはできません。
お墓の費用が200万円で手元に現金があり、支払う前に亡くなった場合には手元にある200万円には相続税がかかりますが、払ってしまえば相続税はかからないという結論となります。
なかなか生前に自分のお墓を準備するのは気持ちのいいものではありません。