資格ライフ.COM 

プライベートバンカー・ウエルスマネジメント・ファミリーオフィス・エステートプランニング・資産税の専門家を目指すブログ-TaxAccounting&Financial Planning

どうする新NISA!令和5年度税制改正で令和6年からNISAの大幅拡充が予定されています

既にSNSやYouTubeなどで話題になっているところではありますが、昨年12月に発表された令和5年度税制改正大綱でNISA制度の大幅拡充が決められました。

www.fsa.go.jp

あくまでも税制改正大綱は方向性の決定であって法律がとおったわけではありませんが、自民党と公明党の与党及び閣議で決定したものですから、3月には衆議院と参議院を通過して法律化されることになります。

現行の積立NISAの問題点は?

NISAの問題点と改善提案については以前のブログでも掲載していたところです。

私が問題だと思っていたのは次の6点でした。

  1. 金額40万円は少ないし、12ヶ月で割り切れるようにしてほしい
  2. 非課税期間が20年というのは短いため、長期化するか無期限化してほしい
  3. iDeCoのようなスイッチングの制度にしてほしい
  4. 配偶者に相続しても非課税での運用が続くようにしてほしい
  5. 18歳という年齢制限を外してほしい
  6. 制度の恒久化をしてほしい

今回の税制改正大綱では、このうちの大部分で改善される見込みです。

www.sikakulife.com

 

www.sikakulife.com

 

旧・新NISAはお蔵入りに・・・

実は令和6年からは「新NISA」と呼ばれる新しい制度がスタートする予定でした。積立NISAは変更はなくて、年間120万円の一般NISAが微妙な感じに改正される予定だったのです。

今回の税制改正大綱では、この「新NISA」がなかったものになっています。

微妙な感じの2階建ての枠組みでしたし、積立NISAとの選択性でしたから、積立NISA派にとっては無視してもよいような制度改正だったわけです。

 

www.sikakulife.com

 

呼び方、わかりにくいですね・・・ここでは、税制改正大綱による新しいNISA制度を「新・新NISA」としておきましょう。

「新・新NISA」がスタートするので、「旧・新NISA」は今回お蔵入りです。

新・新NISAの内容はこうなる!

金融庁の資料による新しいNISA制度のイメージは次のようになっています。

 

制度の特徴として次の点があります。

  • 積立NISA枠120万円と成長投資枠240万円の併用が可能
  • 非課税保有期間は無期限化(現行は20年間)
  • 投資枠は最大で1800万円まで(うち成長投資枠は1200万円まで)
    ※枠は取得価額(簿価)でカウントする
  • 口座開設期間は恒久化(現行は時限立法)
  • 投資対象は、現行の積立NISA、一般NISAとほぼ同様

さらに、現行制度との関係では、令和5年末までに現行NISAを使って投資をした商品は新NISAと別枠で非課税期間までの運用が可能です。

例えば、積立NISAで40万円ずつ令和元年から5年間積立をしていたのであれば200万円を投資しているはずです。これがそれぞれ20年間継続されますので、新NISAの投資枠と合計で1800万円の投資が最大ではできるわけです。

問題点としてあげた内容について検証してみましょう。

1.金額40万円は少ないし、12ヶ月で割り切れるようにしてほしい

金額については想定以上の拡張でした。

しかも、12で割り切れます。積立でも月額10万円ずつ定期的に積立できますね。

非課税保有限度額1800万円、年間120万円+240万円=360万円の投資枠なので、最短5年で限度額まで投資可能です。

もちろん、月額10万円の積立やもっと少しずつでの積み立ても可能。

2.非課税期間が20年というのは短いため、長期化するか無期限化してほしい

非課税期間の制限もなくなり、無期限となりました。5年とか20年という期限に関係なく、持ち続けることが可能です。ロールオーバーという初心者には難しいものも関係なくなります。

3.iDeCoのようなスイッチングの制度にしてほしい

改正後のNISAでは、売却したら非課税枠は復活することになります。

つまり、売却した商品の取得価額部分は再投資可能な枠となります。

まさに、希望していたスイッチングに近い仕組みですが、同一年で売買を繰り返すようなことは想定していないようです。

4.配偶者に相続しても非課税での運用が続くようにしてほしい

さすがに配偶者への相続可能にはなりませんが、相続した有価証券を換価して、配偶者名義で360万円ずつ積み立てることで5年で1800万円の枠まで到達します。

しかし、NISA口座の有価証券の相続したときの課税ってどうなるのか、、金額が大きいだけに影響もでてきそうですね。

譲渡益は非課税で相続税だけ課税なのかな・・・

5.18歳という年齢制限を外してほしい

先ほど、問題点としてあげた年齢制限は撤廃されませんでした。

あくまでも対象は成人である18歳以上となります。

5.制度の恒久化をしてほしい

こちらは口座開設は恒久化、と記載されているので、時限立法ではなくて所得税法本法での条文化がされるのでしょうか・・

どうする新NISA

それでは令和6年から新NISA、どう活用しようか??

自分ならこうする、という方針はまだ決めていませんが、自分の年齢を考えるとなるべく早く1800万円の枠を使いきれるようにしたいと考えています。

しかも、成長投資枠では高配当株やリートなどのインカムゲインが得られるような資産への投資を検討したいところです。

若い世代ならインデックス投資をおすすめするかもしれませんが、おじさん世代だと年金プラスアルファになるインカム狙いも捨てがたいところです。

インデックスは売るまで課税されずに複利運用されますが、配当金はその都度課税されますし、NISA口座を使って無税で受け取ることができることのメリットは高いと思います。

税率ももしかしたら20%から増税されるかもしれないし、分離課税から総合課税に変更されるかもしれません。そう考えるとインカムゲイン目当ての成長投資枠の活用も捨てがたいですな。

リタイヤするまではインデックス投資で枠を使って、リタイヤ後はインカムゲイン狙いという選択肢もよいかもしれません。

 

 

 

 

【SPONSOR LINK】