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今さら他人に聞けない「自利利他」と「担雪埋井」の意味

最近、割と時間があるので自宅にあるTKC関連の書籍をまとめて読んでいます。

そんな中で気になる言葉がこの2つ。

「自利利他(じりりた)」と「担雪埋井(たんせつまいせい)」

どちらも仏教や禅に由来する言葉のようですが、自分には正直よくわからない言葉です。自利利他なんてTKCに入会してから何度も聞かされていることなのに、何となく腑に落ちない言葉の一つです。

いろいろなサイトで解説されているけど、結局何がいいたいのかわからんから自分なりに勝手に解釈してみました。

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自利利他っていったい何なの?

自利利他(じりりた)というのはTKCの創業者である故、飯塚毅氏の言葉で、TKCの理念ともいうべき4文字です。先輩税理士も何となく自信がないのか、照れくさいのか具体的に教えてくれなかったし、誰に聞いてもなかなか腑に落ちる解説がなかったというもありますが、いまさら誰かに聞けないという話でもあります。

因果応報とか情けは人のためならず的な話なのか、他人のために尽くすことが回りまわって自分のためになる、、ということなのかというとそうでもないらしい。

この因果応報説は実際に自分のとってはあまり魅力的に思えません・・・結局自分のために頑張れ、、、的な話だし。

そもそも自己犠牲っていう発想があまり好きではない。

大乗仏教の教えで、自らの悟りのために修行し努力することと、他の人の救済のために尽くすことの、この二つを同時に行うこと。

 

また自らの努力により得たものを他人にも還元する、他人の為に動くことで自分も成長し何かしらのものを得ること

というように書いてあるサイトもありました。

つまり、回りまわって自分に戻ってくることを期待するだけではなく、コインの表と裏の関係のような感じもします。

我々のような専門家、実務家にとっては、知識や経験を積んでスキルをあげていくことは、まずは第一に自分のために行っている行為であるといえます。でも、同時に自分が行っている努力や勉強はお客さんやクライアントにとっても、いつか役にたつこともある・・・ということでしょうか?

まさに自分のための努力でも、裏を返せば世の中の誰かの役に立つための行動にもなっている、、、そういうこと??

因果応報的な話よりも、こちらのコインの裏表の話のほうがなんとなく腑には落ちるような気がします。

士業や専門家として生きていると時々なんだかわからない虚無感、虚しさを感じることがあると思います。

  • 何のために毎日遅くまで頑張っているんだっけ?
  • なんで休みの日まで机に向かって勉強しなきゃいけないの?
  • お金のため?名誉のため?自己満足のため??

そんなときは、「これこそが自利利他!」「今この瞬間が自利利他!」と思えばいいのかな、、と思いました。

自分のためだけに頑張っているわけではなく、まだ会っていないかもしれない未来のクライアントだったり、専門家のスキルや知識を必要としている人のために頑張っている、、と自己犠牲を強いられるのではなく、自分自身を奮い立たせるために使う言葉なのかもしれません。

専門家や実務家は誰かの役にたててこそ存在意義があると思います。

社内か社外か、報酬や給料の多寡ではなく、誰かの役に立てたと思えればそれだけで存在価値があるというものです。

専門家や実務家は、誰かの役に立つことで初めて存在価値や存在意義を感じることができる。

「自利利他」こそが専門家としての レゾンデートルであるといえるのかもしれません。

担雪埋井ってさらに意味不明

飯塚毅氏の書籍やTKC関係の出版物ででてくる言葉にこの担雪埋井(たんせつまいせい)。これもいろいろなサイトで紹介されているのが、このような訳です。

「人の努力というのは、井戸の中に雪を放り込んで埋めるようなものだ」ということを表していると言われます。

 

井戸の中に雪をいくら懸命に運んでも融けてしまって井戸はいつまで経っても埋まらない。

 

一見愚かな行為を指しているようですが、人が何かを求めて努力しても、なかなかうまくはいかない、人生とはそういうものだ、ということを説いていると言われています。

 井戸の中に雪をいれて埋めようとしてもすぐに溶けて水になってしまうから無駄な努力です。普通に考えるとアホだと思ってしまいます。

人生とはそんなものだから、、と思春期に親から言われていたらおそらくぐれていたと思います。

結局は何がいいたいのかわからないのですが、自分なりに考えてもいくつかの解釈ができそうには思います。

  • 成功する人は一握りの人間で、こういった一見無謀と思えるようなことを愚直に続けた人だけが成功するんやでぇ・・・と言いたいのか?
  • そりゃあ、重い雪を一生懸命馬鹿みたいに運んでいたら、少なくても体力がついて、いいこともあるさ・・・といいたいのか?
  • できる、できないとか、慎重になって何もせずに終わるよりも、例え無駄な努力に終わったとしても、結果をもとめずにとりあえずやってみることが大事。
  • 結果なんて考えずに、ただただ目のまえの雪を運ぶという行為にのみ集中することが大事、、ということなのか?

うん、どれもありそうな解釈です。どれもそれなりに教訓としてはいいかもしれません。

でも、別に4文字熟語にしなくても、わかりやすく文章で言えばよくない???と思うのは僕だけでしょうか?

これもやっぱり自己啓発的な発想で考えていいように思っています。

結果がでないからと言って腐ったり、あきらめたりせずにがんばろう、、的に解釈するのが自分的にはしっくりきます。

専門家や実務家としての勉強は暗闇の中を明りをつけずに進むようなものです。

すぐに表面的に結果がみえることもなく、しばらくは踊り場にいるような気分になるものです。

おそらく実務について3年くらいは面白いようにスキルが身につきます。これはどの業界やどの職場でもだいたい同じで、基本的な流れがつくまでは周りの人もサポートしてくれると、一通りの型があるため身に着けやすいものです。

そこから先ですよね。守破離でいえば「離」の段階までいくともはや型がないので自分で創意工夫していくしかない。

どの山を登るのが正解なのか、この山はどこまで続いているのか、誰も教えてくれません。

歩き始めた山は目的地とは違う山かもしれないし、正しいのかもしれない。

山頂まではもうすぐかもしれないし、まだまだ先は長いのかもしれない。

でも、1歩1歩を踏みしめてあるかないとゴールには近づかないのからこの1歩が確実にゴールに近づく1歩であると信じて歩き続けるしかないのです。 

なぜなら、歩いても歩いてもゴールには近づかない無駄な1歩かもしれませんが、少なくてもその1歩がなければ永遠にゴールにたどり着くことはないのだから。

って、、担雪埋井ってこういう話ですか?

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