1.保険料算出の原則
保険料は、生命保険の大原則である「大数の法則」と「収支相等の原則」に基づき、予定基礎率を用いて計算されます。
ここの事象は偶発的なものでも、数多くあつめて大数でみると一定の法則性が見出せる。これを大数の法則といいます。
例えば、サイコロをふった時にそれぞれの数がでる確率は少ない数を振った場合にはかたよりがでるかもしれないが、数多く振るにつれてやがて均等に6分の1になっていきます。これが人の生死にもあてはまるというのが生命保険でいう大数の法則。
生命保険の場合には、多人数の被保険者のそれぞれの母集団ごとに同じ死亡率、生存率に基づく保険料を適用されるのは、この大数の法則がはたらくためです。
■収支相等の原則
生命保険は加入者相互の相互扶助の仕組みであるため、収支は加入者全体で考えます。全体としての収入の合計が、支出の合計になるように計算します。これを収支相等の原則といいます。
2.保険料計算の基礎
保険料は「予定死亡率」「予定利率」「予定事業費率」の3つの予定基礎率を用いて計算されます。
■予定死亡率
年齢や性別ごとに年始の生存者に対して1年間にどのくらい死亡するかという死亡者数の割合。過去の統計に基づいて計算されます。
一般的には、同年齢の男女では男性の死亡率が高いため、女性のほうが保険料が安いといわれています。
※これに対して実際の死亡率が予定死亡率よりも低くなった場合に生じる剰余金を死差益といいます。
■予定利率
保険料は、将来の保険金や給付などの支払いに備えて積み立てられた上で、運用にまわされます。
保険会社では、あらかじめ運用によって得られるであろう利益を予測し、その分だけ割り引いて保険料を決めることになります。この割引率を予定利率といいます。
※これに対して実際の死亡率が予定死亡率よりも低くなった場合により生じる剰余金を利差益といいます。
■予定事業費率
保険料は、保険会社の経費(保険料の集金や営業職員への報酬など)にもまわされています。保険会社ではこうした経費をあらかじめ見込んで保険料を算出します。この保険料に対する経費の割合を予定事業費率といいます。
※実際にかかった事業費が、予定していた事業費よりも少なかった場合により生じる剰余金を費差益といいます。