仕事をしているとお客様から試算表を渡して「こんなのいらない!」と言われることがあります。
いらないと言ってくれる人はいいですが、迷惑なのにもらってくれる人もいます。
会計事務所でそのいらないものの代表が「試算表」や「月次資料」です。
もちろん、会計数値を羅針盤にして経営することは重要です。
でも、業種や規模にもよります。
全ての業種、全ての経営者が試算表という数字の羅列が必要なわけではないのです。
あるお客様に言われました。
「こんな書類必要ないからちょっとでも安くしてよ」
まじめな会計事務所職員ならなぜ試算表が必要かを熱心に話をするでしょう。
でも僕はしません。とりあえず引き上げます。
必要ないんでしょ…、見たくないんでしょ…
試算表というできあいのものを押しつけがましく渡すことはしたくありません。
次の手を考えます。
数字の羅列に嫌悪感があるなら、とりあえずビジュアル的にわかりやすい構成図などを持っていきます。
もっと丸まったざっくりとした資料に切り替えます。
たとえばそれまで1円単位だったのを1000円単位にするというのもいいかもしれません。
売上、原価、粗利、利益という大まかな報告でもいいかもしれません。
それでも見てもらえなそうなら、自分の頭にいれこんで聞かれたらすぐに答えられるようにします。
世間話の中に盛り込んで、会社の業績をそれとなく社長に伝えます。
誰だっていきなり生の試算表を持って来られて、マニュアル的に上から説明し始めたら「もういいよ」っていいたくもなります。
事務所の方針だから毎月試算表を渡さなければいけない…?
そんなことはないでしょう。
とにかく数字を見なくても業績をわかってもらえる、興味を持ってもらえる。
業績を知りたいときはすぐに聞いてもらえる関係を作ること、まずはそこからでもいいのではないかと思います。
そして本当にどうでもいいような規模の会社であれば半年に1回、年に1回でも聞いてもらうようにできればいいのではないかと思います。
相手の立場やレベルに合わせて、こちらも対応する、少しでも興味を持ってもらえるように工夫するそんなことが大切なのです。