相続税の対策の相談を受けることがあります。
相続税の試算をしたり、様々な対策を考えます。
でもこれは机上での検討です。
これをお客様に報告します。
内容的には自信を持って報告します。
数字的にこの対策で相当の相続税の削減が可能です。
でも、対策にはいろいろな問題が付きまといます。
一番の問題は、実行可能性の問題です。
一つは、リスクの問題。
効果は高いけど、リスクが高ければ実行可能性は下がります。
FPの試験でも学ぶ資産運用の基本は、流動性、収益性、安全性です。
これが相続税対策でも当てはまります。
流動性も重要な視点となります。
相続財産は減るけど、流動性が下がるような対策は実行可能性が下がります。
でも、本当に難しいのは人の気持ちや想いのようなものだと思います。
例えば、養子縁組。
いわゆる「長男の嫁」を養子に…なんていう提案はまず拒否反応が起きます。
孫ならいいけど、長男の嫁はNGなのです。
ご夫妻が亡くなるといずれにしても下の世代に財産は移転するし、次の世代の対策を考えると分散すべきだと思う…と説明してもだめなのです。
自分の目が黒いうちはなんて言われてしまいます。
家族の問題は、数字には表れないものです。
そういった家族の気持ちが相続対策の本当の難しさなのです。