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消費税還付スキームで荒稼ぎした元税理士を脱税で告発?

ネットニュースを見ていると元税理士が脱税で告発されたという記事が流れてきました。8億の所得を隠して2億円超の税金を脱税していたとのことでした。

ちょっと興味があったので名前+税理士でググってみるとまだ事務所のHPが普通に残っていました。「元」税理士なのにね。

記事によると金の売買を使った消費税の還付スキームのコンサルティングをして稼いだ収入を自分が経営する株式会社2社に架空の外注費を払ったことにして所得税を圧縮し、なおかつその法人の売上の計上も漏れていた、、というような内容でした。

そもそも消費税の還付スキームとは??

金の売買を使った消費税の還付スキームというのは、今年の税制改正で封じられたやり方で、アパートを建築したときに建築費用に含まれる消費税額の還付が受けられるという手法でした。

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まず昔からあった消費税の還付スキームですが、建物建築の建築費用にかかっている消費税の還付を受けるという話があります。

事業用のテナントはいいのですが、居住用アパートを建てても居住用の家賃は非課税の売上なので消費税の還付はほとんど受けることができません。アパート建築時の消費税の還付はその年の全体の収入に対する課税収入の割合、いわゆる課税売上割合が高くないと効果が薄いスキームなのです。

これに対して最初に流行ったのはいわゆる自動販売機スキームです。年末に建築をした場合に、建築年は入居者をいれずに自販機の手数料収入だけにすればその年は自販機の収入のみになります。自販機収入は消費税のかかる課税売上になるため課税売上が100%になり、全額還付を受けられるという方法でした。

この手法が流行ったために国税が封じたのが、3年間で課税売上割合に著しい変動がある場合には還付金額を後から返還しないといけないという方式だったり、もろもろいろいろな封じ込め方式をとってきました。

これに対して誰が考えたのか次にとられたスキームが金の取引です。金の取引は実は消費税が課税されます。これに目をつけて金の取引を毎年多額に売ったり買ったりを行って課税売上割合が著しく低くならないように調整していくというスキームでした。

ただ、これだけ長年にわたって国税を悩ませていたスキームということで、まさに積年の恨み・・だったのでしょうね。

最終的にはいたちごっこになると国税は思ったのか、会計検査院からの指摘を受けたからなのかアパート建築のためにかかった消費税の還付や仕入税額控除は認めないという改正が令和2年度改正で加わっているというところです。

脱税記事に関する都市伝説

こういった記事って結構不思議というか、都市伝説的な謎があると思います。

まず、「脱税と消費税の還付スキームって何か関係あるのか??」という話。

普通に元税理士が脱税していた、、でいいはずの記事に、尾ひれがついていますよね。

「消費税の還付スキームを指南していた」元税理士・・・国税からでた記事だからだと思いますが、なんだか国家権力の圧力を感じます。

こういった租税回避の提案や実行の援助をする税理士を国税は懲らしめますよ・・的な話なのでしょうか。

消費税の還付スキームなんて指南するような悪徳税理士がやりました、、というイメージになっていませんか?

このスキームを封じる税制改正は、令和2年度の税制改正で加わったばかりで調査対象年は適法だったはずです。つまり、このスキームそれ自体は白。

確かに租税回避スキームであり、税理士として積極的に提案するのはいかがなものかと思います。

でも、節税スキームの提案が悪いことのように印象を操作するのもどうなんでしょうかね、、っていう話です。 

第1話

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そもそも脇が甘くない??

また、摩訶不思議なのはこういった際どい節税スキームを提案して国税に睨まれるのがわかっていながら自己脱税をしていたこの税理士はバカなの??という感じがします。

普通の感覚なら叩いても埃もでないような状態で、国税に睨まれても大丈夫なのように身の回りをきれいにしてから取り掛かるような気がします。

ただのバカなのか、自分だけは捕まらないという正常性バイアスがかかってしまっていたのか。

そもそも経済合理性のない単なる税金還付のためだけの取引は課税の公平を反するので違法ではなくも、悪だとは思います。違法ではないかもしれませんが、法の抜け道をつくような節税はズルだし、裏道というか卑怯な手法ですから、これに手を染めるのはプロ失格と思います。

法律上は罰せられない、、のであれば何をやってもいいのかと言えばそうではないし、自らの倫理観や道徳観に従って判断すべきだと思っています。

それでもやるという判断をした場合なら、普通はもっと警戒すべきではないかな・・・と思います。

とにかくなんだか腑に落ちない事件だな、、という感じはしました。

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